メキシコではノーチェ・ブエナ(聖夜)と呼ばれ、クリスマスを飾る花として親しまれてきました。
そのためクリスマスのこの時期に圧倒的に多く売られ、観葉植物として短日処理し、紅葉させて緑色の葉とのコントラストを楽しみます。
花びらはなく、花のように見えるのは苞(ほう)で、(花のつけ根につくもので、つぼみを包んでいた葉のことで、苞葉ともいいます)これが赤くなり、その赤さはキリストの血の色に例えられます。
毒性がありますが、このクリスマス時期には必ず花屋さんでも売られ、たいていの家庭や、レストラン、カフェ、お店などあらゆる所で見られます。
今回は「花」ではないのですが、散歩をしていてちょっと印象的だったので写真を撮りました。
これはドイツ語でTintlinge,ラテン語ではCoprinus、
日本ではササクレヒトヨタケと呼ばれているキノコです。
ハラタケ科でササクレヒトヨタケ属に属するキノコの一種です。
高さは3cm~12cm程になる中型もしくは大型キノコで、表面は白色で繊維状で
無味無臭です。
幼時は白色ですが、成熟するに従って黒変し、最後は黒インク状に液化して消えます。
この液化は腐るのではなく、ササクレヒトヨタケ自身の酵素による自家消化だそうです。
食べることも出来て、味もいいです。
マッシュルームのような食感です。
ただ食べる場合は黒くなる前の白い状態が一般的です。
日本でも一般的に見られるそうですが、こちらでは晩秋にかけて草地や路傍で多く見られます。
この写真のものも実際に道端に生えていたものです。
こちらはドイツ語で、Gewöhnlicher Spindelbaum,もしくはPfaffenhütchenで、ラテン語では、Euonymus europaea,日本語ではニシキギ属です。
高さは2~6mぐらいで、原産はおそらくヨーロッパでしょうか。
特に中央ヨーロッパには多く見られますが、アイルランドやスウェーデンにも、また北スペインやシチリア、ギリシャにも多く見られます。
葉は5~8cmぐらいで、この秋の時期には1枚目の写真のようにかなり赤くなります。
花は5~6月に咲きますが、あまり目立たず、少し香りを放ちます。
実は2枚の写真に見られるように、赤や少しピンク色で、4枚の花弁のように開いている中に大きな種が入っています。
これは大変毒性が強いです。
こちらでは森や川沿いなどに野生で生えているのをよく見かけます。
この写真は2枚共Marchfeldkanal (マルヒフェルトカナール)で、自然に生えていたものです。Marchfeldkanal は、ウィーンとNiederösterreichを 流れる18kmの川です。
こちらはドイツ語で
Aster(アスター)、
ラテン語ではAster,
日本ではシオン、別名ではオニノシコグサで、
キク科シオン属です。
原産は北アメリカらしく、ユーラシア、アメリカ、アフリカにも多く見られます。
日本では本州から九州にかけて分布し、野生のものは稀だそうです。
日本では、平安時代には観賞用として植えられるようになったそうです。
Asterの種類も色々ありますが、この紫色は結構定番かもしれません。
山地等のやや湿った所に多く生育しています。
高さは、150cm~200cm ぐらいが一般的でしょうか。
花の色は、この紫を始め、赤、白、ロゼなどが
あります。
花径が25mm~35mmぐらいで、筒状花は黄色くなっています。
こちらは濃いピンクに白が少し混ざっています。
ここまで紹介した3枚の写真は全てうちの庭で咲いているものです。
開花時期は9月~10月で、こちらではやはり観賞用として、公園や庭に好まれて植えられています。
ウィーンの市立公園にもたくさん植えられていて、綺麗に咲いています。
こちらはウィーンの市立公園に咲いてるシオンです。
こちらは薄い紫ですね。
これは、ドイツ語でGewöhnliche Wegwarte
(ゲヴェーンリヒェ ヴェッグヴァルテ)、ラテン語ではCichorium intybus、
日本では、チコリーとか、キクニガナとも
呼ばれています。
原産は地中海沿岸地方、西アジア、北西アフリカとも言われ、キク科の多年生野菜です。
だいたい2~5cmぐらいのライトブルー(薄い紫に近い色)の花で、高さは30cm~140cmぐらいです。
葉は羽状に切れ込んで、タンポポに似ています。
葉や根には独特の苦みがあって、若い芽や葉はサラダに用いたり、薬効のあるハーブとしても用いられます。
日本でも国産のチコリーが生産されているそうです。
低地の湿原などに多く見られますが、こちらでは道端などにもよく見られます。
この写真のチコリーはウィーンの森のマイヤーリンクで咲いていたものです。
8月28日付で書いた、ウィーンの植物園 (Botanischer Garten) の中には竹が植えられている場所があります。
この植物園はベルヴェデーレ宮殿の真横に位置し、街の中心に比較的近いのに、まるでウィーンの森にいるような雰囲気です。
この植物園の中ほどに、この竹林のコーナーがあります。
ちょっと日本的な雰囲気です。
これはドイツ語では、Hoher Bambus (ホーアー・バンブス),ラテン語では Phyllostachys viridiglaucescens、
日本では真竹(マダケ)属です。
原産は中国の揚子江と黄河に挟まれた地域とされていますが、現在では温帯、亜熱帯地域の世界各地で見られます。
高いものは30mぐらいまで伸びるものもあります。
この竹林のコーナーには、実際に竹林の中に入れるように、2箇所の通路が作られています。
日本でよく見られる太い竹はこちらではあまり見ることができませんが、
それでもここではかなり日本を思わせるような、それなりに太い竹も見られます。
こちらでは観賞用として、好んで庭に植えられています。
またショッピングセンター内の通路や、集合住宅の共同敷地、店の中等
かなり人気があるようです。
こちらは、
ドイツ語でKanadische Goldrute
(カナーディッシェ ゴルトルーテ)、よく総称してGoldrute,
ラテン語ではSolidago canadensis,
日本ではセイタカアワダチソウと呼ばれているものです。
ラテン語のSolidagoは
アキノキリンソウ属で100種類ぐらいあるそうです。
原産は北アメリカで、キク科です。
日本名のセイタカアワダチソウは、背が高く、花が泡立っているように見えることから来ているそうです。
ヨーロッパには1648年以前にパリに入って来たそうですが、記録としては1644年以来から確認できます。
日本には明治末期に園芸目的で持ち込まれたとされています。
高さは50cm~250cmぐらいになり、河原や空き地などに群生することが多いです。
こちらはうちの庭の
セイタカアワダチソウ
です。
(ちょっと後ろにコスモスが見えていますが・・・)
ちなみに1枚目の写真は野生のセイタカアワダチソウで、散歩をしている時に通りかかって撮影したものです。
こちらでは観賞用として庭に植えられていることも多くみられますが、1枚目の写真のように、この時期道端などにとても多く咲いています。
この夏の終わりの秋らしい時に、黄色の花・・・ということでも人気があるようです。
こちらはドイツ語でWunderbaum
(ヴンダーバウム),もしくはRicinus(リチヌス)、ラテン語ではRicinus communis,
日本語ではトウゴマです。
原産は北東アフリカとされ、
世界中に分布しています。
日本でも古い時代に中国から入って来たとされています。
平均的に2~3mでしょうか。
とても速く成長し、3~4ヶ月で5mぐらいになるものもあるそうで、熱帯気候では
数年で13mぐらいになるものもあるそうで、葉は30~70cmぐらいです。
種子から得られる油はひまし油として広く使われています。
このひまし油は植物油の
一種です。
また種にはリシンと呼ばれる
猛毒が含まれています。
トウゴマの種子に毒性があることはかなり古くから知られていました。
紀元前のエジプトでも存在していたことがわかっています。
インドでも紀元前2000年頃、便秘薬として使われていたらしいです。
こちらでは観賞用植物として公園などでよく見かけます。
9月に入り少しずつ秋の気配を感じます。
日もかなり短くなっていますし、朝、夕の気温の差が大きくなっています。
以前「ウィーンによく見られるこの時期の花」シリーズで紹介した花はまだこの時期でも咲いてるものもあります。
しかし基本的にかなり限られた花
だけが咲いています。
こちらはドイツ語でWunderblumen(ヴンダーブルーメン)、
ラテン語ではMirabilis jalapa、日本ではオシロイバナ(ユウゲショウ)です。
原産は中南アメリカでおそらくメキシコだと言われています。
こちらヨーロッパには1525年に入って来たようです。
日本には江戸時代に入って来たそうです。
高さ60~120cmが一般的ですが、まれに2mぐらいになるものもあるそうです。
花の色は、ピンク、赤、白、黄があります。
こちらでは観賞用として庭によく植えられていますし、道端などにもこの時期よく咲いています。ピンクというよりも紫に近いピンク色でしょうか。
かなり鮮やかな色で、多くの花が咲きますのでよく目立ちます。
別名ユウゲショウと言われるのは、このオシロイバナは夕方に花が咲き、
夜通し花が咲いていて、朝になると(明るくなると)花を閉じることからきています。
ウィーンは街の至る所に緑があります。
街中で緑と言うとたいてい市立公園とか王宮庭園などの
リンク道路沿いか、プラター公園やシェーンブルン宮殿などが思い浮かぶと思います。
その辺ならもう歩きました・・・という観光の皆様で、
ウィーンの森に行く時間もない、でも公園ではなくて静かな緑の雰囲気を味わいたい方にお勧めなのが
Botanischer Garten (ボターニッシャー・ガルテン)・・・植物庭園です。
このBotaischer Gartenはウィーン大学の管轄で、1754年
マリア・テレジアの時代から存在しています。80.000m²という市立公園よりも広い敷地には約9500種類もの様々な
植物が植えられています。
このBotanischer Garten は結構中心から近い所、でも観光の皆さんにはあまり気づかれない、しかもウィーンの観光ポイントとしては絶対に外せない有名なベルヴェデーレ宮殿の真横に位置しています。
ベルヴェデーレ宮殿があまりに有名な存在なので、たいていの人が気づかず、いや気づいているかもしれませんがあまり興味なく通り過ぎて行きます。
入場箇所は4箇所あります。
その一つとしてベルヴェデーレ宮殿をGürtel(ウィーンの中央駅界隈の大通り)側から上宮を正面に見て入った場合は、宮殿の立派なバロックの門を通る前、すぐ右手にアーチ状の小さな入口があります。
入るとすぐ左にルートが取られています。
ちなみにそのアーチをくぐるとすぐ正面には有料の「Alpengarten」アルペンガルテンというアルプス地域に見られる高山植物などが見られる小さな植物園があります。
そこではなく、アーチをくぐったらすぐ左に行きます。
メインの入口は正反対側で、ベルヴェデーレ宮殿の下宮があるRennweg からHotel Savoyenの手前すぐ右に入ったPraetoriusgasseにあります。
ここはウィーンの中心に近いとは思えないほど静かで、のんびりと地元人が歩き、あるいはジョギングしてる人などを見かけます。
また植えられている植物にはラテン語の学語も記された札も立てられています。
日本ほどではありませんが、竹が植えられている場所もあります。
ここは私も好きなスポットのひとつです。
毎日多く歩いている仕事をしている私ですが、プライベートでもよく散歩やハイキングを楽しんでます。
先日家のそばを散歩している時に
クリが植えられているのを見つけました・・・というかしょっちゅう歩いてる場所ではあるのですが、あまり気づいてなかったのかもしれません。
こちらではよくクリが植えられているのを見たことがあります。
こちらでドイツ語でEdelkastanie
(エーデルカスターニエ)、
ラテン語でCastanea sativa、
日本ではヨーロッパグリとか
セイヨウグリとも呼ばれ、ブナ科で
落葉性です。
もちろん春に花を咲かせるこちらのいわゆるマロニエとは違います。
マロニエの実を包むとげはとても荒いですが、こちらは密集したとげとげです。
このセイヨウグリは
すでに古代ギリシャ・ローマ時代地中海周辺やその北側に植えられていたようです。
高さは20~25mぐらい、高い物は35mぐらいまでなるそうです。
幹の直径は1~2mぐらいが一般的です。
こちらでは樹齢100年以上のクリの木も珍しくありません。
食用果実を得る目的で広くヨーロッパでは栽培されています。
でも街中の公園などに植えられているのはまだ見たことがありません。
たいてい一般の庭などに見られます。
時期になると例えばクリのケーキもとても人気があり、デザート、冬にはアイスクリームの代わりに街中に焼き栗を売るスタンドが多く見られ地元で好まれて食べられています。
先日ウィーンの森の一角を散策していたら、野生のシクラメンが咲いているのを見つけました。
ドイツ語ではAlpenveilchen
(アルペンファイルヒェン)やZyklamen(ツィクラメン)と呼ばれ、ラテン語ではCyclamenです。
シクラメンというと鉢に入ってる大きな花弁を持つ40cmぐらいのシクラメンが定番かもしれません。
この種類の原産は地中海沿岸のトルコ、イスラエル界隈(小アジア)だとされていて、
赤、白、紫、ピンクなどがあり、日本でも定番です。
Cyclamen はギリシャ語の「cyklos(円)」からきているそうです。
ヨーロッパには17世紀頃入り、品種改良されて日本には明治時代末期に
入って来たそうです。
しかしここで紹介するシクラメン(Cyclamen purpurascens)は、
ヨーロッパだけに見られる品種のシクラメンです。
こちらでこの野生のシクラメンはとても知られています。
10cmぐらいの高さで、花の色はピンクに近い薄紫しかありません。
ウィーンの森などを始め自然の中によくこの時期に見られます。
これが咲き始めるともうすぐ夏が終わりです・・・という自然の知らせです。
ウィーンの街に緑が多いことを度々書いていますが、リンク道路沿いの公園の中で一番大きなStadtpark(シュタットパルク・・・市立公園)には花時計が
あります。
この公園はガイドブックでも有名なヨハン・シュトラウスの像を始め、シューベルトやブルックナー、フランツ・レハールなど有名人の銅像が多くあり、同時に色々な花が植えられていて、ウィーン市MA42の管轄です。
広さは65.000m²もあり、中にはウィーン川が流れています。
この花時計は、クアサロンというルネッサンス様式の宮殿のような建物をバックに、この公園の花道的な所に作られ、「Unsere Gärten」・・・(私達の庭という直訳)というロゴと蝶のシンボルが見えます。
ウィーンの公園の中には無数のベンチが置かれています。
そのベンチの背もたれの部分にはたいていこの写真のようなステッカーが貼られています。
このステッカーには、
「Bitte nehmen Sie Platz!」(どうぞ、座って下さい)というロゴと、
その蝶のシンボルが見えますね。
蝶のシンボルの右側にはStadt Wien・・・ウィーン市のロゴとウィーン市のワッペンが見られ、さらにその下にはWien ist anders・・・というロゴが書かれています。これはウィーンは違うんだ、ウィーンは他と違うんだ! という街中によく見られるロゴです。
先月7月30日のこのコーナーで「花のねこ」について書いた時に、ガーデンショップのPRASKACも紹介しました。
そのPRASKACの駐車場近くのちょっとした庭園にエーデルワイスが植えられていました。
ドイツ語でEdelweiß,
ラテン語でLeontopodium alpinumです。
エーデルワイスに属する(Leontopodium)ものはかなりの種類があるようですが、この写真のエーデルワイスはおそらく一番知られているものでしょうか。
こちらはグロースグロックナーが目の前に見られるフランツ・ヨーゼフ・ヘーエ付近で見つけた自然のエーデルワイスです。
最初の写真はPRASKACが意図的にたくさん植えたもので数多く密集していますが、やはり自然のエーデルワイスはそうそう多くはありません。
日本ではウスユキソウとも言われ、高貴な白というドイツ語直訳のエーデルワイスは高さ5cm~20cm,直立または上向きで、
花は3~12個の小さなボタンのようなものが見られ、それを白く綿毛に覆われた長さが異なる複数の葉が星形に取り囲んでいます。
7~9月に花が咲き、通常標高1800m~3500m地点の日当たりのいい石の多い場所、
岩壁、割れ目、山岳の草地などに見られます。
何と言っても映画「サウンド・オブ・ミュージック」でも知られ、オーストリアでは国の花でもあり、保護指定植物になっています。
ちなみにPRASKACでは咲いているエーデルワイスも売られています。
こちらはドイツ語でJapanischer Schnurbaum (ヤパーニシャー・シュヌーアバウム)、
ラテン語ではSophora japonica,
日本ではエンジュで、
マメ科 マメ亜科 クララ属です。
高さは25mぐらいの落葉高木で、
黄緑っぽい白い花で、幹も短め、
7枚~17枚の楕円形の先が尖った葉が
特徴で、葉と花の部分は25cmぐらいになります。
原産はアジア南西部、おそらく中国です。
この木は長く続く夏の乾燥にも強いため、
こちらでは好んで街路樹や公園に植えられて
います。
写真は2枚共ウィーンの市立公園に植えられているエンジュです。
(2枚共別のエンジュです)
この時期に高い木で花をつけるのは限られているため、エンジュはとても良く目立ちます。
一般の庭ではほとんど見かけませんが、公園や道路脇などに頻繁に目にします。
たいてい木の下には散った花がたくさん溜まっていると思います。
こちらはBlumenkatze(ブルーメンカッツェ)...花のねこです。
正式にはPRASKATZ (プラスカッツ)といいます。
この素敵な花のねこがある場所は、
PRASKAC Pflanzenland Tulln
(プラスカス プフランツェンラント)
地元で有名なガーデンショップです。
場所はウィーンから約40km離れたTulln(トゥルン)にあります。
ちなみにこの街はエゴン・シーレが生まれた街です。
植物庭園的なこのショップはTullnの中心から離れた一角にあり、15.000m²の店の広さ、2500以上の様々な植物を栽培し、その場でもちろん購入できますし、カタログ購入も可能です。
植物だけでなく、ガーデニング関係の
物や石、灯篭、庭に置く椅子やテーブルなども販売しています。
PRASKAC はこの花のねこを最初から作る計画をしていました。
当初は紙でプランを考え、その後に合計12トンにもおよぶ鋼鉄を
ねこのフォームに組み立てました。
高さ約9mの骨組みに、12.000の花を飾り、猫の形を形成しています。
この猫のデザインに地元子供達の募集が行われ、100のアイデアを参考にして生まれたそうです。
たくさんの花が飾られているわけですが、もちろんその花が必要な水が与えられるように水まわりも中に設置されています。
2008年5月22日に低部オーストリア州の州知事立会いのもと序幕セレモニーが行われ、大変な賑わいでした。
ここはTullnの街からもちょっと離れていて、ある意味では何もない一角にあります。
そのため車が必要です。
巨大な花屋さんですが、公園感覚で散歩もでき、敷地内に小さな庭園もあり、行く価値は大です。
ヨーロッパでも一番花、草木の種類が多いガーデンショップのひとつです。
こちらはドイツ語でEibisch
(アイビッシュ)、ラテン語ではHibiscus syriacuc,
日本ではフヨウ属で、ムクゲです。
原産は南、東アジアでおそらく
中国です。日本には奈良時代に中国から入って来たそうです。
高さ2~3mで、
花が咲くのは6月~10月です。
ただこちらウィーンでは7月ぐらいから多く見られます。
花の色は紫、白、ロゼ、青紫が一般的です。
ラテン語からの「ハイビスカス」は広義ではフヨウ属の総称です。
日本では狭義で熱帯、亜熱帯性の
いくつかの種がハイビスカスと呼ばれています。
写真は2枚共、ウィーンのSchwedenplatzに植えられているEibischです。
こちらはうちの庭のEibischです。
原種は200~300種あり、
草本から、低木、高木まで様々な種類があります。
夏の間ずっと花が咲き続けること、
ある程度寒さにも耐えられること
などで、こちらではとても人気があります。
庭がある住宅地を歩けば、2~3軒に1軒はEibischが植えられています。
また庭の垣根にも頻繁に使われています。
街中でもちょっとした緑の一帯にも多く見かけ、観賞用として親しまれています。
こちらはドイツ語で
Immergrüne Magnolie
(インマーグリューネ・マグノーリエ),
ラテン語ではMagnolia grandiflora、日本ではタイサンボクで
モクレン科です。
原産は北アメリカ南東部で、
日本には明治初期に入ったそうです。
高さは20mぐらいまで、濃い緑の葉は光沢があり20cmまでの長さで、
7cmぐらいの幅です。
花は綺麗なクリーム色的な白で、20cm ととても大きく、心地よい香りがします。
日本の樹木の花としては最大だそうです。
いわゆるモクレンは、、4月~5月に咲きますが、タイサンボクは6月~8月です。
こちらではZiergehölz(観賞用)として庭や公園によく見られます。
ウィーンは街の至る所に緑があり、
様々な花が植えられています。
これらはウィーン市が管理しています。
膨大な量のウィーンに見られる街中の花はウィーン22区の私がよく行く大好きなスポットのひとつ
Blumengärten Hirschstetten der Stadt Wien (MA42)でも栽培されています。
(ブルーメンゲルテン・ヒルシュシュテッテン・デア・シュタットヴィーン)
これは言ってみれば広大な植物園で、
広さは60.000m²もあり、24の文化小屋、温室、大きなグラスハウス3つを始め至る所にありとあらゆる植物が植えられています。
また子供達のための公園や迷路、
動物達も飼育されていて実際は
植物園、動物園、公園がいっしょになっているような花壇庭園です。
ここは中心からは行きづらいのが欠点ですが、行く価値は十分あります。
車があれば便利ですが、公共交通機関を使ってもアクセスできます。
地下鉄U1で、Kagranerplatz まで、そこから22Aのバスです。
営業時間
3月31日~10月11日まで
火~日 10:00~18:00
(6月~8月の金、土は20:00まで)
月曜日 休園
10月13日~3月25日は、Palmenhaus(温室)のみオープン
火~金 10:00~15:00 日 18:00 まで
※花の販売はなし
入場無料
http://www.wien.gv.at/umwelt/parks/blumengaerten-hirschstetten/
こちらはドイツ語でAmerikanische-
Klettertrompete
(アメリカーニッシェ
クレッタートロンペーテ),
日本ではアメリカノウゼンカズラ、
ラテン語でCampsis radicans、
こちらではTrompetenblumen、Trompetenwinden
(トロンペーテンブルーメン,トロンペーテンヴィンデン campsis) と総称して呼ばれています。
原産は北アメリカ東部で、2~5mぐらいの高さになり、-20℃ぐらいまでの耐寒性があります。
ちなみにノウゼンカズラ・・・Campsis grandifloraは原産が中国でヨーロッパには17世紀に、日本には大正時代末期に入って来ました。
花の色はオレンジや少し黄色がかったオレンジ色で、筒状の花をつけ、他の植物や壁、柵などに寄りかかって成長します。
こちらでは観賞用で庭や公園などに多く見られ、特に庭の柵にからまれて咲いているのをよく見かけます。
こちらはドイツ語でSeidenbaum
(ザイデンバウム),ラテン語ではAlbizia julibrissin、日本ではネムノキでマメ科です。
イランから東中国にかけて広く分布し、日本では本州、四国、九州に見られます。
高さ5~10mぐらいで、薄紅色の花が枝先に10数個集まって咲き、桃のような甘い香りがします。
長く伸びた糸状のものが雄しべです。
ネムノキ属は熱帯地域に150種類ほど分布しているそうで、一部野生化しています。
温帯地域でも広く栽培され、耐寒性があり、-15℃ぐらいまで大丈夫だそうです。
ネム・・・は夜になると葉が閉じることから来ています。
観賞用としてよく植えられています。
こちらはドイツ語でEssigbaum
(エスィッヒバウム)、ラテン語ではRhus typhina,
日本語ではルスティフィナ
でしょうか。
原産は北アメリカ東部で、
うるし科です。
高さ3~5mぐらい、長さ20cmぐらいまでの非常に目立つ赤い花を咲かせます。
ヨーロッパには17世紀に植えられていたことが確認されています。
こちらでは観賞用として好まれ、庭などによく見られます。
秋にはとても綺麗なな赤い葉をつけます。
この写真はある庭のルステフィナですが、
街中では例えばカールス教会前の公園でも見ることができます。
これはYucca (ユッカ)、ラテン語でもYucca,日本ではユッカで、リュウゼツラン科です。
原産は北米といわれ、砂漠気候区分に属する乾燥した地域に多く見られます。髙さは1.5m~2m
ぐらいで、とてもたくさんの
白い釣鐘状の花を咲かせます。
17~18世紀に原産地から各地に
移植され、開発されて多くの品種があります。
こちらはうちの庭のユッカ (Yucca filamentosa)です。日本ではたぶんイトランです。
葉から白い繊維が糸状に出てくる特徴があり、
それが名前の由来とされています。
耐暑性や耐寒性があり、水をあまり必要としませんが、でもしっかり水をあげれば高く豊かに成長します。
こちらでは観賞用として、庭、公園などにも多く見られます。
1枚目の写真はウィーンの市立公園に咲いているものです。
こちらはドイツ語で
Sommerflieder (ゾンマー
フリーダー、夏ライラック)もしくは、Schmetterlingsstrauchと呼ばれ、
ラテン語では、Buddleja davidii です。
日本ではフサフジウツギと呼ばれています。
原産は東アジアで中国であろうとされています。日本には明治時代にヨーロッパで改良されたものが入って来たらしいです。
高さは4mぐらいになり、花の色は紫が定番で、まれに白もあり、花は10~30cmぐらいです。
春に見られるライラックよりも(このコーナーで4月27日に書いています)
かなり細長い花が特徴です。
こちらではZierpflanze(観賞用)として庭や、道路脇によく見られます。
これはドイツ語で
Immergrün (インマーグリューン),
ラテン語では、Vinca major,
日本ではツルニチニチソウと
言われています。
原産は地中海沿岸で、30cmぐらいまでの高さになり、花の色は紫や青紫が一般的です。
5枚の花がプロペラのような
形をしていますが、1日で萎んでしまいます。森の中の日陰などによく見られます。
似たものでヒメツルニチニチソウ (Vinca minor) もありますが、こちらの方が花も葉も小さいです。
ツルのように地面を張って伸びるので、こちらでは庭の地面をおおっていく観賞用草花として人気があります。
こちらはドイツ語でGlockenblume
(グロッケンブルーメ)、
ラテン語ではCampanula,
日本ではホタルブクロ属で
たぶんハタザオキキョウ (Campanula rapunculoides)でしょうか。
原産はヨーロッパで、日本には大正時代に園芸用として入って来たようです。
60~150cmぐらいの高さで、紫色をした釣鐘のような花をつけます。
草原、森、岩などがある地域など標高2000mぐらいまでに見られ、種類も300~500と非常に多いです。
これはドイツ語でBlasenesche
(ブラーゼンエッシェ),
ラテン語では、Koelreuteria paniculata、
日本語ではモクゲンジです。
原産は中国で、ヨーロッパには1750年に入ってきました。
日本では日本海側に見られ、15mぐらいになりこの時期には黄色い花を咲かせます。
こちらでは中央ヨーロッパに多く見られ、たいてい公園や道路脇に植えられています。ウィーンにもシェーンブルン宮殿界隈、王宮庭園にも見られ、この時期は背丈が高い木で、黄色の花を咲かせるのはこれしかないので、かなり目立ちます。
写真はウィーンの王宮庭園(Burggarten) のモクゲンジです。
花を咲かせた後、袋のような実をたくさんつけます。
これは人気のあるラベンダーです。
ドイツ語でLavendel
(ラヴェンデル),ラテン語では
Lavandulaです。
原産は地中海沿岸とされていて、種類は非常に多く、1mぐらいまでの高さになるものもあります。
標高1700mぐらいまでの日当たりが良く、乾燥した場所が適していますので、こちらヨーロッパの西岸海洋性気候地域には多く見られます。
花の色は、紫、白、ピンクがあり、中でも紫は最もポピュラーです。
庭などにも観賞用として頻繁に見られます。
こちらはうちの庭のラベンダーです。
ラベンダーは鎮痛や精神安定などに効果があると言われています。
こちらはドイツ語でTrompetenbaum
(トロンペーテンバウム),
ラテン語では
Catalpa bignonioides,
日本ではアメリカキササゲ
(アメリカ木大角豆)です。
日本には明治時代末期に入って来たそうです。
原産は北アメリカで、
高さは20mぐらいまで、30cmぐらいまでの細長いさやのようなものがぶら下がっているのが見えます。
中央ヨーロッパでは観賞用として、公園等に多く見られます。
これはドイツ語でDeutzie
(ドイツィエ),ラテン語ではDeutzia,日本ではウツギ属で、ウノハナとも呼ばれています。
東アジアに多く分布し、1m~2.5mぐらいの高さで、世界には60種類程あるそうです。
6月9日に紹介した、Weigelien(ヤブウツギ)はタニウツギ属、スイカズラ科でしたが,こちらはウツギ属でアジサイ科です。
Zierpflanze で観賞用でこちらでは庭や公園に植えてあるのを多く見かけます。
ウィーンの街中で色々な所に見られるベゴニアです。
ドイツ語ではBegonien,
ラテン語でBegoniaです。
原産は南アメリカだそうで、20~60cmの高さ、花の色は白、赤、ピンク、オレンジが多く、熱帯、亜熱帯地方の
原種を交配してとても多くの種類があり、約1500種類ぐらいにのぼるそうです。
上の写真はカールス教会前、こちらの写真はベルヴェデーレ宮殿です。
当たり前のように色々な所に植えられているので、あまり気に留めずに通り過ぎてしまいます。
基本はZierpflanzeですから観賞用です。
公園や、庭、バルコニー用、墓地、ウィーンのリンク道路沿いなどにとても多く見られます。
昨日リンク道路の一角で、ウィーン市の職員がベゴニアを植えているのを見かけました。
6月も中旬に入り、暑い日が続くウィーンです。
春と比べると、花も限られたものが咲いていますが、逆にそれらが
よく目につきます。
これはドイツ語で、Pfeifenstrauch(プファイフェンシュトラウホ)、ラテン語でPhiladelphus coronarius,
日本ではおそらくバイカウツギやサツマウツギと呼ばれています。
南ヨーロッパが原産らしく、1m~3mぐらいの高さで、ほぼ観賞用として庭や公園に植えられています。野生のものはまれです。
大量の白い花を咲かせるため、とにかく目立ちます。
何といっても夕方に強い香りを出すのが特徴で、そこからこちらでは「ニセジャスミン」とも言われています。
ウィーンの街のいたる所に見られるおなじみボダイジュです。
ドイツ語では、
Linde (リンデ),ラテン語でTilia です。
ボダイジュにも種類が多くありますが、Sommer Linde(夏ボダイジュ),
Winter Linde(冬ボダイジュ),
Silber Linde (銀ボダイジュ)などがよく見られます。
これらは日本ではセイヨウボダイジュと呼ばれているようです。
ボダイジュは中国原産ですが、ナツボダイジュはヨーロッパ原産です。
高さは40mぐらいになるものもあります。
ハート型の葉が特徴で、そこから更に薄い緑の細長い葉が出て、
そこから実のようなつぼみが出て、それが開いて黄色の細かい花が咲きます。
実際に細長い葉と書きましたが、細長い葉から実までの部分がボダイジュの「花」となっています。
この時期に遠くから見ると、ハート型の葉の緑と、花の部分の薄い緑の2色が混ざって見えます。
ウィーンの3大街路樹のひとつで、公園や庭園にとても多く見られます。
夏ボダイジュと冬ボダイジュの大きな違いのひとつは、花を咲かせる実の数が違います。
夏ボダイジュは、一枚から2~6個、冬ボダイジュは4~12個あります。
写真はプラター公園の夏ボダイジュです。
バルコニーや窓のすぐ外によく飾りとして見られ、大変人気がある花のひとつにペチュニアがあります。
ドイツ語ではPetunien
(ペトゥーニエン),
ラテン語でPetunia です。
原産は南アメリカで、ヨーロッパには18世紀中ごろに伝わったとされています。
基本は16種類あるそうですが、Zierpflanze (観賞用園芸植物)で非常に人気があります。こちらではバルコニーの柵に長細い鉢をぶらさげたように置かれたり、
窓のすぐ外のスペースに
置かれていたりしているのを頻繁に見かけます。
アルプス地方のペンションなんかでもよく見られます。
写真は2枚共うちのバルコニーのペチュニアです。
5月~10月までの間、頻繁に美しい花を咲かせ、すこし垂れ下がるような全体フォームを形成します。
これがあるのとないのとでは建物の印象もかなり違って見えますね。
これはドイツ語でWeigelien
(ヴァイゲリエン),ラテン語でWeigelia floribunda、
日本ではヤブウツギ
と言うそうです。
Weigelia はタニウツギ属です。
1m~2mぐらいの高さで、花は5cmぐらいで、白っぽい赤か
このように赤ピンクの色、
もしくはもっと赤に近い色です。
原産は東アジアで観賞用として植えられています。
こちらでは住宅地の中庭や、民家の庭に多く見られ、たくさんの花が咲き終わった中でもひときわ色的にも目立ちます。
こちらヨーロッパでは純粋なWeigelienではなく、観賞用にアレンジされたWeigelienが多く普及しています。
こちらはドイツ語でKolkwitzie
(コルクヴィッツィエ)、ラテン語でKolkwitzia amabilis,
日本ではショウキウツギとか
アケボノウツギ、そのまま学名で
コルクウィッチアと呼ばれます。
高さは2~3mほどで、原産は中国で、ピンク色が入った白い花を
たくさんつけます。
これはウィーン郊外の有名な温泉地バーデンの公園で咲いていたものです。
とにかく大量の花がまとまって咲くので遠くからでもすぐにわかります。
これはGeißblatt
(ガイスブラット)、ラテン語でLonicera x tellmanniana,
日本ではスイカズラ属です。
ラッパの形をした花が特徴です。
つる性とそうでないタイプ、
常緑タイプと葉を落とすタイプ
とあります。
スイカズラ属は180種類ほどあるそうで、こちらでは観賞用に好まれています。
つる性のものは庭の柵に這わせたり、家の壁に上方に成長させているパターンが多く見られます。
写真はうちの庭のGeißblatt です。このタイプは5月~6月終わりまでと、花が咲く時間がスイカズラ属の中では比較的短いのですが、とても強く、猛烈に多くの花を咲かせます。
全く香りがしません。
このタイプは常緑性ではなく、寒くなると葉を落とします。
こちらは常緑性と葉を落とすタイプと両方好まれています。
特に一般家庭の庭に多く見られるのが、クレマチスです。
ドイツ語ではClematis
(クレマ―ティス)とか Waldrebe(ヴァルトレーベ)と呼ばれ、
ラテン語でClematis です。
北半球に多く分布し、
原種は約200種類、
現在2000を超える品種があるそうです。
こちらは、
ドイツ語でGold Waldrebe、
ラテン語ではClematis tibetana tanguticaです。日本語では、ゴールド クレマチス?・・・といっていいかわかりませんが、
上のクレマチス プレジデントとはだいぶ違います。
写真は2枚共うちの庭のクレマチスです。5月~10月ぐらいまで花を咲かせ、種類や品種も多数あり、つる性の植物なのでSichtschütz (ズィヒトシュッツ・・・外からあまりこちらが見えないようにするための物)にもよく使われています。
クレマチスは日本でもポピュラーですね。
これはドイツ語でLauch
(ラウフ)、ラテン語でAllium、日本語ではアリウムとも言われているZierpflanze
(ツィアープフランツェ) です。
一言でアリウムといっても、このように紫で丸いボールのような形をしたものはたくさんの種類があります。
Zierpflanze はいわゆる草花、
もしくは園芸植物であり、花、葉、実などを鑑賞するために栽培される草本で、こちらでは様々な園芸植物があります。
このアリウムはこちらでは公園や民家の庭、集合住宅の公共通りのわきなどによく植えられています。遠くから見てもハッキリ見分けられ、30cm~1mぐらいの高さになり、花の直径が5cm~20cmぐらいのものもあり、たいていまとまって植えられています。
ドイツ語でLauch はネギです。茎を見ると長ネギのようです。
よく家の周りを散歩するのですが、その時に道端で咲いていた、
ユリノキ(百合の木)です。
この木は市立公園にも植えられています。
ドイツ語ではTulpenbaum
(トゥルペンバウム)、ラテン語でLiriodendron tulipiferaです。
原産は北アメリカで
ヨーロッパでは公園や庭園にもよく見られます。
40mぐらいまで高くなるものもあり、日本では明治時代初期に入って来たそうです。
黄色のチューリップを思い起こさせる花が特徴で、比較的湿気があり、
水がよく抜ける地面が適しているそうです。見た感じは一瞬エキゾチックな雰囲気です。
この時期にかなり咲き始めているのがケシです。ケシも種類が多いのですが、これはこちらで定番のケシで日本ではヒナゲシ、ドイツ語では、Mohn(モーン),
ラテン語ではPapaver rhoeas
です。
ウィーンでは郊外の自然の野原とか、高速道路沿いなどに多く見られ、まとまって生えてる場合や、一本だけポツンと生えている場合と様々です。花の色は、紅、ピンク、白などがあり花径は、平均的に5~6cmです。
原産は南ヨーロッパで、日本では桃山時代に入って来たそうです。
ケシは催眠作用があるため昔は幼児を寝かしつけるのに使ったといいます。
こちらはうちの庭のオニゲシ
(オリエンタルポピー)で、
ラテン語では
Papaver orientale です。
定番のケシよりも花径が大きく、12cmぐらいはあるでしょうか。
「ウィーンによく見られるこの時期の花」として何気なく書き始めたのですが、結構好評を頂きましたので、特徴的な花が見られる限り、不定期に続けて行きたいと思います。
第7弾はニワトコです。ドイツ語で、Holunder (ホルンダー)、
ラテン語では、Sambucus nigra です。
ニワトコはヨーロッパ広域に見られ、標高1200mぐらいまで、3m~7mぐらいの高さになります。白い花が咲き終わると、黒っぽい実がなります。
ニワトコはヨーロッパでは重要な花のひとつで、新石器時代から人々はニワトコの実を集めていました。
また薬用植物としても知られ、乾いた花と実が呼吸気管系や熱に効くとされています。
またゲルマン民族からの習慣で、いわゆる悪霊を遠ざける意味もあり、
聖なる木としての意味もあります。
そのためか、かなりの民家の庭に植えられています。
もちろん街中の公園や大通り沿いなどにも見られます。
ウィーンによく見られるこの時期の花シリーズ第6弾は、ドイツ語でPfingstrose(プフィングストローゼ)、ラテン語でPaeonia suffruticosa、
日本語ではボタンです。
公園にも見られますが、普通の家の庭に特に多く見られます。
原産は中国で、当初は薬草として栽培されていたそうで、日本には奈良時代に入って来たようです。
ボタンはとても多くの種類がありますが、Strauch-Pfingstrose と Stauden-Pfingstrose
(ドイツ語) の大きく2種類に分けられます。
前者は、幹が太くなり、
通常1.5m~3mぐらいまでの高さになります。
極端な例では5mになるものもあり、60歳ぐらいになるものもあります。
後者はいわゆる一般的なボタンで、1m~2mぐらいで幹のように太くはなりません。
写真は2枚共うちの庭のボタンです。
写真1枚目のボタンはCoral Charm という名のボタンですが、かなりピンク色に見えてしまいました。でも実際の色はピンク、黄色、オレンジが混ざったような
(Lachsfarbe・・・サーモン色)色です。
2013年 5月17日~5月20日まで、
Wiener Zitrustage (ヴィーナー ツィトルスターゲ、ウィーン柑橘類の日)という
柑橘類(オレンジやレモン)の見本市のようなものがシェーンブルン宮殿のオランジェリーで開かれています。
今年が13回目です。
そこでは様々なオレンジ、
レモン等の柑橘系が色々な業者によって展示され、その場で購入もでき、
時間帯によってレクチャーなども受けられます。
入場料は5ユーロです。
去年行った時にゆずが
売られていたことがわかりましたが、
残念ながらすでに売り切れで買うことができませんでした。
今年は、初日のオープン時
(今日の午前中)に行き、
ゆずを2本買うことができました。
これは、Citrus limonimedica,
ドイツ語でRiesenzitrone,
巨大レモンで約20cmです。
ウィーンでも多く見られる花のひとつに、Rhododendoron
ロードデンドロン、(Rhododendoron ponticum),
日本ではシャクナゲがあります。
市立公園をリンクからシュトラウス像に向かって入っていくと
すぐに目立つ鮮やかな花が咲いています。シェーンブルン宮殿のオランジェリー庭園にもたくさん見られます。
北半球に多くあり、特にヒマラヤ地方にはかなりの種類があるそうです。
ラテン語でRhododendoronと始まりますが、ツツジも、Rhododendoron luteum やRhododendoron ferrugineum や、Rhododendoron hirsutum というので、注意が必要です。
ドイツ語では、それぞれGelbe Azalee, Rostblättrige Alpenrose,
Behaarte Alpenrose と呼ばれ、ツツジです。
これはうちのシャクナゲです。
今年の3月はおかしな天候で、
3月半ばから3週間ぐらい春から冬に逆戻りしたため、その時期の花の開花もずれ込みました。
でも5月も中旬になり、いつもの花がちゃんともうこの時期に咲いています。
これは、Robinie ロビーニエ、
(ラテン語 Robinia pseudoacacia)、
日本では、ニセアカシアです。
原産は北米で、日本には、明治5年に来たそうです。
ヨーロッパには多くあり、街路樹や公園に植えられ、25mぐらいまでの高さになるものもあります。ここちいい香りがします。
白い花のかたまりがいくつも見えるのが特徴で、花の後に、5つぶほどの豆が入った15cmぐらいの長さの鞘(さや)がぶらさがっているのが見えます。
4月終わりから5月上旬にかけて、シェーンブルン宮殿の正面
入り口から宮殿を見て、庭園左右に植えられている花は、
Rotdorn (Crataegus laevigata ‚Paul’s Scarlet‘ + Punicea + Punicea Flore Pleno) 、ドイツ語では、ロートドルン・・・日本語ではサンザシ(山査子)です。
とても美しいピンク色の花を咲かせ、マリアテレジアイエローとのコントラストも
印象的です。毎年この時期には、たくさんのお客様から「あの花はなんですか?」
という御質問があります。
注意して見ていると、公園や一般家庭の庭にもよく植えられています。
自然の中で見られるのはたいていWeißdorn
(Crataegus laevigata) 、
ドイツ語でヴァイスドルン・・・
白い花のサンザシです。
高くて10mぐらいになり、
川沿いなどに多く咲いています。
8月ぐらいから赤い実がなります。赤のサンザシは多くは
庭に植えられ庭の美しさを演出するのですが、
それ以外、赤も白も、野生の鳥や自然界の小さな生き物などに、特に冬場に食糧を提供するという重要な役割を持っています。
このGoldregen (Labumum anagyroides),ドイツ語で、
ゴルトレーゲン、日本では
キングサリ(キバナフジ)と呼ばれ、やはりこの時期ウィーンの街中や、ウィーンの森などに多く見られます。
原産はヨーロッパ南部と言われ、3~7mぐらいの高さになり、花が咲いていれば遠くからでもハッキリわかります。
こちらは定番なフジです。 (Wisteria sinensis)
原産は、東アジア、中国と言われています。
ドイツ語でBlauregenとか、Glyzinie(ブラウレーゲン、グリツィーニエ)と呼ばれ、やはりこの時期に多く見られ10mぐらいの高さになります。
おもしろいことに右巻きで伸びるものと左巻きで伸びるものとがあります。
しかし、キバナフジと同様に毒性があり、特に樹皮、種に毒性があります。
これはうちの庭のフジです。
この時期ウィーンに多く見られる花のひとつに、Rosskastanie (いわゆるマロニエ、
ラテン語では、
Aesculus hippocastanum) があり、ウィーンの街の街路樹ベスト3のひとつとです。
リンク道路周辺、シェーンブルン宮殿等に
多く見られます。
通常は、二等辺三角形状で、それぞれの三角形にいくつもの白い花が咲き、25mぐらいまでの高さになるのもあります。
1570年頃、コンスタンティノープル
(現トルコのイスタンブール)からウィーンにもたらされたとされています。
赤いマロニエもウィーンでは多く見ることができます。
こちらは赤のマロニエです。
ラテン語では、Aesculus x carnea です。
これは、北アメリカ原産のアカバナトチノキと通常の白のマロニエをかけ合せたもので、ベニバナトチノキとも呼ばれています。
白と赤のマロニエを同時に見ると、
コントラストがとても綺麗で、街の雰囲気も春から初夏です。
ウィーンは森の都ともよく言われ、緑が本当に多い街です。
2月終わりから3月、4月、5月と様々な花が時間差で咲き、とてもウィーンの街、
ウィーンの森が美しい時期です。
リンク道路沿いにも5つの公園があるわけですが、そんな身近な場所でも色々な花を見ることができます。
この時期ウィーンの街中によく見られる花のひとつに、Flieder (これはドイツ語名称で、日本語ではライラック、ラテン語では、Syringa vulgaris) があります。
ライラックは英語読み、
フランス語読みでリラです。
ここ中央ヨーロッパでは1560年から知られていて、
2m~6mぐらいの高さになります。
紫、薄紫、白が一般的で、住居の庭にもよく植えられていますし、外からの視線を遮るために庭の周りに植えられるSichtschütz (ズィヒトシュッツ)にもよく使われています。
これはうちの庭のライラックです。