復活祭に多く見られる3つのシンボル

今年は復活祭が4月1日と去年よりも約2週間早いので、復活祭市なども早く始まりました。

昨日はシェーンブルン宮殿の復活祭市を話題にしました。

街中を歩けば復活祭を感じさせる装飾が多く見られます。

復活祭はドイツ語ではOSTERN(オステルン)と言いますが、これは厳密にキリストが復活したことを表す言葉ではありません。

OSTERNについては別の日に取り上げますが、生活の中ではキリストが復活することを祝うよりも、春の訪れを祝う空気の方が強いと思いことを昨日も書きました。

その復活祭シーズンに頻繁に見られる3つのシンボルを紹介しましょう。

 


Osterhase(オスターハーゼ)

 

オスターハーゼは復活祭のうさぎです。

Osterhase(オスターハーゼ)が復活祭のシンボルになったのは、実はそんなに古いことではなく、17世紀終わりからということです。それより前には存在していませんでした。

それまではうさぎではなく、こうのとり、にわとり、きつねがたまごを運んでくるという習慣はありました。

うさぎは春先にたくさんの子供をもうけます。

それが"新しい生命"を象徴し、そこからキリストの"復活"と結びつきました。


Osterei(オスターアイ)

 

たまごもうさぎと同様、新しい生命の象徴です。

このたまごは、前述したOsterhaseが持って来るということになっています。

現実にうさぎがたまごから生まれるということはないですし、うさぎがたまごを運んで来ることももちろんありません。

また、たまごには色が塗られていて、赤、青、緑、黄色といった一色だけのたまごもあれば、カラフルなたまごもあり、スーパーなどでもゆでたまごとしてたくさん売られています。


Palmkätzchen (パルムケツヒェン)

 

Palmkätzchen (パルムケツヒェン)も、花屋さんでは必ずこの時期には並んでいて、レストランやお店の中などにも飾られていたりします。

そのヤナギの枝にたまごがぶら下がっていることも多く見かけます。

聖書にはイエス・キリストがロバに跨って復活祭前の日曜日エルサレムに入城した時、人々はシュロ(ヤシ)を振りかざしてイエスを迎えました。

でもこちらヨーロッパの内陸ではヤシがありませんでした。現在ではいくらでも買えますし、南に行けばたくさんあります。

そこでいつしかネコヤナギが代わりに使われるようになり、家をネコヤナギで飾る習慣が生まれたというわけです。

本来であれば、Palmkätzchenではなく・・・パルムはヤシ、Weidekätzchen(ヴァイデケツヒェン)ですね。Weideはヤナギです。

でもこちらではPalmkätzchenと呼ばれています。

ネコヤナギは蜂にとって春の最初の食べ物のひとつです。

そんなことから春の訪れ・・・同時に復活祭のシンボルとなっているわけです。

 


こちらでは復活祭のこの時期になると当たり前のようにこのような象徴的な物を飾ります。

このような習慣もキリスト教の歴史を少しでも振り返ってみると、しっかりとした理由があって、現在の私たちの時代に受け継がれていることがわかります。

このような意味を知っていると、ただ単に街中を歩くのとは全く違って見えてきますね。

 

 

 

 

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