Fiaker (フィアカー)に乗るのもいいですよ

ウィーンに初めて来られた方は、荘厳で上品な街並みに圧倒されると思います。ヨーロッパで一番長く続いた王朝ハプスブルグ家の居城があり、そしてそのハプスブルグ家の下に歴代神聖ローマ帝国の皇帝やローマ王の称号が永らくあったことからウィーンの街は帝国の都、皇帝の居城であったわけですから他のヨーロッパの街とは歴史的立場が違っています。中心部を少し歩くだけでもその空気を十二分に感じることができます。

お客様と中心を歩いて観光しているとよくFiaker (フィアカー)が走っている光景に出会います。

たいていの皆様がフィアカーにカメラを向けます。フィアカーは辻馬車で、今で言うタクシーみたいなものです。このフィアカーがウィーンの街にはとてもよく似合います。ガイドという仕事上、年間を通してフィアカーに乗ることも多くあります。

 

 


 

フィアカーはウィーンの街の石畳の上を情緒ある音を立てながら走って行きます。ウィーンの街並みに溶け込んでとても絵になるんですね。ウィーンに来てフィアカーに乗ろうという方も多くいらっしゃいます。

フィアカーのオフィシャルな乗り場としてはシュテファン大聖堂の裏側、王宮のミヒャエル広場が一般的ですが、国立オペラ座裏側のヘルムート・ツィルク広場や王宮の英雄広場でも馬車が待機していれば乗車することができます。左上の写真は王宮のミヒャエル広場から今年8月フィアカーに乗車した時で、2頭の毛並みいい馬が出発を待っていますね。

この日は馬車も大忙しで、街中ではたくさんの馬車が観光客を乗せて走っているのを見かけました。

右上の写真は王宮界隈を走っている途中ですが、私達の馬車の前にも2台の馬車が走っています。

 


 

左は王宮のヨーゼフ広場です。馬車からですから視線がちょっと高いですね。

右はグラーベンをちょうど横切っている所です。ウィーンを知っている方であればグラーベンのこの場所は馬車が通ることは御存知ですね。フィアカーから見るグラーベンはいつもと違います。

 


 

左の写真はアム・ホーフという有名な広場で、この裏側にも石畳の風情ある小路があります。

右は市庁舎ですね。フィアカーはリンク道路だって走ることがあります。ここには路面電車、車も通りますから大変です。

 

フィアカーはどこから乗っても均一料金が設定されています。

20分コースが55ユーロ、40分コース が80ユーロとなっていて、チップを少し払う習慣があります。

これは1台の料金ですから1人が支払う金額ではありません。大人5名まで乗車できますから5人で乗った時が1人当たりの料金が一番お得になります。(もっとも1人で乗車した場合はこの料金を払うことになりますが・・・)

 


Fiakaer(フィアカー)と言う言葉はいくつかの説がありますが、一般的にフランス語の"Fiacre"から派生したとされています。ニコラス・ソバージュというフランスの商人であり、辻馬車業者であった人物が1662年にパリのサン・フィアクルで最初の待合馬車の乗車場所を設置したということです。

ウィーンで最初のフィアカーのライセンスが発行されたのは1693年ということになっていて、1700年頃には700台も走っていました。その後増え続け、19世紀後半の1860年~1900年には1000台を超えていて馬車の全盛期でした。この時代はリンク道路が建設されて、様々な建造物が立ち並ぶバブル的な時代であり、人口も220万を超えていた時です。

 

現在では観光用としてウィーンの街に溶け込み、たくさんの観光客を楽しませてくれています。汚物が路上に落ちないようにちゃんと袋をつけて走っていますよ。

フィアカーに乗るとちょっと一瞬、貴族になったような気がします。

 

 

 

 

 

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