オーストリアの代表的な産業のひとつ鉄鋼業はヨーロッパにおいて高い技術力と品質で評価されている産業の一つです。
国内市場は決して大きくないものの、輸出を中心に発展してきた点が特徴であり、とりわけ自動車や鉄道、航空分野などで使用される高機能鋼材に強みを持っています。
この分野を代表する企業としては、voestalpineは世界的にも知られる鉄鋼メーカーであり、単なる素材供給にとどまらず、付加価値の高い製品やソリューションを提供しているんですね。
このような背景から鉄道が早くから発達した国で、ヨーロッパ大陸では最も早く鉄道工事が行われています。
Budweis(現在のチェコ)~リンツ~Gmunden (196.7km) の鉄道は1825年に工事が始まり1827年に開通していて、ヨーロッパ大陸では最も古い路線となっています。
ちなみに鉄道工事としてはオーストリアが最初ですが、フランスのSaint-Étienne~ Andrézieux(21km) 路線が開通は早かったです。
これらは鉄道馬車と呼ばれ、線路の上を馬が客車を引っ張っていくというものでした。
それが蒸気機関車に変わり、そして電化されることになります。
ウィーンの路面電車も全く同じ背景です。
さて、鉄道馬車から蒸気機関車に変わり、いよいよ移動時間も早くなり、距離も増え、線路がどんどん長くなっていきます。
オーストリアでの最初の鉄道は皇帝フェルディナント北部鉄道で、現在のウィーン北駅(現在のウィーンプラター)からチェコを経由し、ポーランドのクラカウ、ボフニア岩塩鉱までの区間訳約600kmで1837年11月13、14日にはウィーンFloridsdorf~Deutsch Wagram 区間13km の最初の試運転が開始され、19日と23日には本格的な試運転が行われ、23日は人を乗せての試運転でした。
そのためオーストリアでは1837年11月23日が蒸気機関車が最初に開通された日と考えられています。
翌年1838年1月6日 9:30には218人の乗客を乗せてウィーン北駅(現在のウィーンPrater駅)を出発しています。
オーストリアの鉄道の歴史的背景に触れましたが、こちらが現在でも見られるそのDeutsch Wagram (ドイチュ ヴァグラム)の駅舎で、オーストリア最古の駅舎のひとつです。
駅舎自体は駅舎として現在は利用されていませんが、重要文化財として保存されています。
この建物の裏側にオーストリア連邦鉄道 (ÖBB) Deutsch Wagram 駅の入り口があります。
写真の左に見える建物は鉄道博物館です。
右奥には同じような色の三角屋根の建物が見えますね。
この建物は1846年に作られた現存しているオーストリア最古の給水ステーションです。
蒸気機関車は、石炭を大量に燃やし、その熱で水を沸騰させて発生した蒸気(水蒸気)の圧力でピストンを動かし、車輪を回転させるため、常に大量の水が必要です。
その水を供給するためのステーションとして利用されていました。
Deuatch Wagram はウィーン中心部から直線距離で北東に18km ほど離れていて、ウィーン中心部のシュテファン広場からだと地下鉄、国鉄を利用し35~50 分ほどかかります。
ウィーン市ではないので、ウィーン公共交通機関のチケット+2.20 ユーロ(この記事を書いている時点で)が必要です。
鉄道ファンの方にとっては興味深い場所になりますね。


