ウィーンフィル ニューイヤーコンサート(2026年)覚え書き

今日は年明け恒例のウィーンフィル ニューイヤーコンサート2026年の覚え書きです。

ニューイヤーコンサートが始まるのはウィーン時間の午前中11:15、日本だと19:15ですね。

自分は毎年そうですが1月1日は仕事をしていたので、お客様がニューイヤーコンサートを楽しんでいる間に、ORFのライブストリーミングを観ていました。

今年のニューイヤーコンサートは例年に無くセキュリティーが強化され、チケットを購入するにあたって、パスポート、名前、住所、メールアドレスの個人情報を登録し、開演2時間前にQRコードのEチケットがダウンロードされる仕様になり、紙のチケットは無くなりました。

楽友協会ホールに通じる道は全て警官によって封鎖され、関係者のみエリアに入ることが出来ました。

事前にかなり混乱を招いていましたが、結果的に何も起こらずスムーズに入場出来たようですね。

 

個人的にニューイヤーコンサートは過去LIVEで見たこともありますが、御存知の通りチケットの値段だって普通のコンサートよりも正規価格でも遥かに高いですし、入手困難ですからね・・・。

でも毎年11月ぐらいから地元の色々なチケット取り扱い業者から「うちはニューイヤーのチケットが数枚あるから行きたい人がいれば売れますので連絡下さい」というような電話やメッセージが私の所に届きます。

でもその時の提示価格は正規価格よりも倍、もしくはそれ以上の高さになっています。

そのような業者ルートから数枚であれば比較的簡単にチケットは入手できますので行く気になればほぼ確実に行けますが、価値観の問題ですね~。

2.000~6000ユーロ以上を一枚のチケットに払うか・・・ということですね。

 

さて、テレビで観るニューイヤーコンサートは楽しいです。

途中に色々な演出があり、会場では見ることができない映像が観られますからね。


今年のニューイヤーコンサートは68回目の生中継で(ニューイヤーコンサートとしては86回目)、世界150か国に放送されているということです。

例年通り今年もバロック時代の作曲家マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704)のEurovisionから始まり、リンク道路付近を上から見た映像から見て、シュテファン大聖堂が最初に登場し、カメラが移動してホテルインペリアル、そして楽友協会ホールの建物が映し出され、この正面入り口の扉が開いて視聴者も中に入って行くようなお決まりで始まりました。

 

 

去年はナポリ生まれの今年84歳になる巨匠Riccardo Muti(リッカルド・ムーティー)でした。 

ムーティとウィーンフィルの関係は長く、ムーティはウィーンフィルの名誉団員にもなっていて、ニューイヤーコンサートを振るのは過去1993年、1997年、2000年、2004年、2018年、2021年と2025年で7回目でした。

 

今年はカナダのYannick Nézet-Séguin ・・・ヤニック・ネゼ= セガン(1975年、モントリオール生まれ)で、ウィーンフィルとの関係は2010年以来から15年以上も続いています。

2023年のシェーンブルン宮殿のSommernachtskonzertも指揮していますが、ニューイヤーは初めてです。


今年の最初の演目は

1.Johann Strauß II. Ouvertüre zur Operette "Indigo und die vierzig Räuber"

 

2.Carl Michael Ziehrer Donausagen. Walzer, op. 446

 

3.Joseph Lanner Malapou-Galoppe, op. 148

 

4.Eduard Strauß Brausteufelchen. Polka schnell, op. 154

 

5.Johann Strauß II. Fledermaus-Quadrille, op. 363

 

6.Johann Strauß I. Der Karneval in Paris. Galopp, op. 100

 

 

この後恒例の休憩です。


この間にお茶の間に流される映像が毎年皆さんが楽しみにしているんですね。

去年はヨハン・シュトラウス2世生誕200年で、この映画のタイトルはEine Staruss-Odysseeです。

まずは宇宙船の中で宇宙飛行士が目覚めます。

"美しき青きドナウ"がバイオリンx2、ビオラ、チェロ、コントラバス、ハープの小編成での演奏が流れながら青い地球が映し出され、2001年宇宙の旅を思い起こさせる演出でした。

 

今年はウィーン中心部にあるアルベルティーナの250周年で、

Der Zauber der Kunst 250Jahre Sammlung Albertinaというタイトルです。

アルベルティーナ美術館のコレクションであるモネ~カンディンスキーを始め、グラフィックアートや絵画などがウィーンフィルの奏でる音楽と共に絵画と現実を一緒にしたようなメルヘンチックな演出でした。

ウィーンの街の風景、夜景、アルベルティーナの内部の様子なども映像で見られ中々面白かったです。

日本だとこの休憩部分はこちらの映像とは違った内容で流れるので残念です。


そして後半です。

 

7.Franz von Suppè Ouvertüre zur Operette "Die schöne Galathée"

 

8.Josephine Weinlich Sirenen Lieder. Polka mazur, op. 13 [Arr. W. Dörner]

オーストリアの女流作曲家

 

 

9.Josef Strauß Frauenwürde. Walzer, op. 277

 

10.Johann Strauß II. Diplomaten-Polka. Polka francaise, op. 448

ここでは王宮のスイス宮を舞台にダンスが登場しました

 

 

11.Florence Price Rainbow Waltz [Arr. W. Dörner]

アメリカの女流作曲家

 

 

12.Hans Christian Lumbye Københavns Jernbane-Damp-Galop

この曲ではオリジナルの鉄道ベルが鳴らされました

 

 

13.Johann Strauß II. Rosen aus dem Süden. Walzer, op. 388

ここではMAKが舞台になり2度目のダンスシーンです

 

 

14.Johann Strauß II. Egyptischer Marsch, op. 335

 

15.Josef Strauß Friedenspalmen. Walzer, op. 207

 

 

以上でオフィシャルプログラムは終了となり、アンコールに入ります。


 

アンコール1曲目は

15.Philipp Fahrbach    Zirkus  Polka schnell  op.110

 

そして美しき青きドナウの序奏が始まり・・・伝統通り、演奏がストップされると同時に、会場から笑い声が起こり、ヤニックさんが世界の聴衆に向って母国語のフランス語で挨拶を述べ、その後英語で、そしてウィーンフィルと私から新年おめでとう...Prosit Neujahr! の挨拶でした。

"Kindness" という言葉が強調されていました。

 

 

17.Johann Strauß II.  An der shcönen blauen Donau, Waltzer 0p.314

美しく青きドナウです。

 

最後はもちろん

18.Johan Strauss Vater  Radetzky-Marsch"    op.228  ラデツキー行進曲です。

この曲ではヤニックさんが前半は客席を移動しながら指揮を振るという、今までになかった演出で、聴衆の多くがスマフォで撮影していましたね。

 


ウィーンフィルのニューイヤーコンサートが行われる場所は楽友協会の黄金の間です。

このホールは世界で最も音響がいいホールのひとつで、ウィーンフィルの本拠地となっていて、私も年間を通してよくこのホールの案内をしていますが、ニューイヤーコンサートの時は花が飾られ綺麗に装飾されますから普段とは全く違います。

 

ニューイヤーコンサートは3回あるということはあまり知られていないようですね。

12月30日、31日、1月1日の3日間で、3日間とも同じ顔触れで同じ内容で行われますが、1月1日だけは世界に生中継で、また他の2日間から比べればチケットも高くなっています。

 

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの始まりはクレメンス・クラウスの指揮で、1939年の大晦日でした。

つまりニューイヤーコンサートではなかったわけです。

しかし、次の年1940年大晦日と翌日1941年1月1日と2日続けてコンサートが行われ、その時からニューイヤーコンサートが始まったというわけです。