ティツィアーノの婦人画展 im KHM

去年の10月5日から美術史博物館で開催されている"Tizians Frauenbild"・・・ティツィアーノの婦人画展に先日やっと行って来ました。

この特別展覧会が開催される前から、ヴェネツィア派の絵画が大好きな私は、あ、これは絶対に見ておかないとな・・・と何度も思いながらなぜか今頃になってしまって、気付いたら今日が千秋楽となってしまいました。(笑)

本来であれば週に3~4回行くこともある美術史博物館なのですが、コロナ禍・・・まだまだ観光客の皆さんが気軽に来れる状況ではありませんね。

早く以前のようになって欲しいです。

 

美術史博物館は現在、チケットは建物の外におかれている窓口で買いますが、特別展示会の場合は時間制限があり、美術館入場料の他に5ユーロ別途にかかります。

現在美術史博物館の入場料は大人18ユーロですから、合わせると23ユーロということになりますね。

私はオーストリア国家公認ガイドなので、有難いことにガイドのライセンスを入口で見せるだけですぐに入れてくれます。

美術館で働く多くの人とも顔見知りなので、正直ライセンスを見せることなく、顔パスで入れてくれます。

あ、でも入る前に"2G"検査はありましたよ。

目的はティツィアーノだったので、すぐに上に行きました。

 

特別展覧会場所はイタリアウィングの奥の部屋から始まっていて、中に入るとかなり薄暗くなっていました。

思っていたよりも多くの人がいましたし、美術館が提供しているガイドツアーも2組いましたね。

元々この美術館が所有している絵も多く展示されていましたが、それ以外の作品も並んでいました。

他から借りて来たものは撮影禁止が多かったですが、ウィーンの美術史博物館が所有しているものはフラッシュなしで問題なく撮影できます。

右は入って最初の部屋に展示してある女性のポートレートです。

 

ティツィアーノが主役ではありますが、彼が学んだジョバンニ・ベッリーニやちょっと先輩のジョルジョーネ、パルマ・ヴェッキオ、ティントレット、ヴェロネーゼ、ロレンツォ・ロット、パリス・ボルドーネなども多く展示されていて、美しい婦人画像、華麗な色彩60点が見られました。

館内はかなり薄暗くしてあるので、全体の写真を普通に撮影してもあまりよくわからないですね。

16世紀の前半はこのような女性の美人画が非常に流行りました。

ティツィアーノも好きですが、女性の美人画であれば私は個人的にパルマ・ヴェッキオの方が好きですね。

ティツィアーノの場合は理想の女性像と言う感じで、何となく現実から離れているのですが、パルマ・ヴェッキオの肖像画は身近な美しさを感じるからです。

 

 


ティツィアーノはヴェネツィア派最大の巨匠と言われ、1488年にヴェネツィア共和国のピエーヴィ・ディ・カドーレで生まれたとされいますが、正確な年代はわかっていないようです。

10歳~12歳ぐらいの時に画家の弟子になるためヴェネツィアに送られたようです。

ヴェネツィア派の創始者とも言われるジョバンニ・ベリーニの工房で修行し、そこでジョルジョーネとも出会い、彼の未完成の作品をティツィアーノが完成させていく過程で独自のスタイルを身につけていきました。

 

色彩がとても美しいヴェネツィア派はこちら

 

 

ベリーニが1516年、ジョルジョーネが1510年の亡くなってからはその後60年間はヴェネツィア派最大の巨匠であり続け、ハプスブルグ家のカール5世やその後のフィリップ2世からの庇護も受けてハプスブルグ家の宮廷画家としても数々の作品を残しまし、1576年のヴェネツィアで亡くなっています。

 

 

 

ティツィアーノの"ヴィオランテの肖像"は1515年~1518年に描かれ、美人画と呼ばれる16世紀前半のヴェネツィア絵画の特徴を見ることができます。

Violante・・・ヴィオランテはイタリア語のviola、ドイツ語のVeilchen(すみれ)から由来した名前で、この絵の彼女にとっての左の胸元にすみれの花が見られます。

大胆な色使いに対し、金髪の細かいタッチや美しい肌の描写も見事で当時の理想の女性像を表しています。

この女性は高級娼婦と言われていますが、そんな人物に理想の美しさを見出しているおもしろさがあります。

 

 

 

 

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