スペイン乗馬学校の白馬達を近くで見よう

ウィーンでの伝統のひとつにSpanische Hofreitschule (スペイン乗馬学校)があります。

白馬のエリート達が優雅に伝統的で高度な古典馬術を披露してくれるわけですが、日本でもかなり知られていて、2015年に無形文化遺産にも登録されました。

一般観光で彼らのパフォーマンスを見ることはほとんどありませんが、旧市街を歩いているときなどは彼らの住まいを頻繁に通りますので、私もよく話題にしています。

エリート白馬達はウィーンの王宮に住まいがあり、彼らのその住まいはウィーンで重要な美しいルネッサンス建築でもあります。

スペイン乗馬学校の白馬達をしっかり見られるのは一般的に朝の練習、パフォーマンス、ガイドツアーです。

それ以外では、王宮の住まいを通る時にちょっと遠くに眺められます。

 

彼らの住まいの道一つ挟んで隣接しているやはり王宮一角にバロック様式の立派な乗馬ホールがあり、そこで朝の練習やパフォーマンスが行われます。

その際に彼らは騎手や係に誘導されて乗馬ホールに入りますが、その時に近くで見ることができます。

 

 

 


 

上の2枚の写真は白馬達が住まいから乗馬ホールにまさに移動している最中です。

道ひとつ挟んで住まいと乗馬ホールがあるわけですが、建物は繋がっていて、どちらからも行き来でいる短いトンネルのような構造になっています。

この時カメラを構えて待っている人もよく見られます。

 


<Lipizzaner(リピツァーナー)について>

 

 

Spanische Hofreitschule(スペイン乗馬学校)は皇帝マクシミリアン2世の時代である1565年からということになっていますので、2015年が450周年記念ということになります。

スペイン乗馬学校ではLipizzaner(リピツァーナー)が活躍しています。

よくリピッツァナーと書かれていますが、こちらのドイツ語発音からするとリピツァーナーの方が相応しいと思います。

Lipizzanerは馬の種類です。

 

現在のスロヴェニア一角の"Lipica"で、これをイタリア語でLipizzaと言いますが、ここで1580年、オーストリアにいたスペインの流れを汲むアンダルシア馬とイタリアのアンダルシア馬を交配させて飼育が始まりました。

後にここから生まれた種類を"Lippizaner"と呼ぶようになります。

スペイン乗馬学校のスペインはここから来ています。

 

18世紀初頭におそらくスペイン産の馬の質が落ちて来たので、色々な地域からの馬がここに呼ばれ、(もっぱら南イタリア、アラビア半島、デンマークから)質を高める努力が続けられてきました。

19世紀終わりから20世紀初頭にかけて、アラブ種がトレンドとなり、1770 年~ 1925年まで 42のアラブ種が確認されています。

 

15世紀終わりから16世紀初頭のルネッサンス時期に古典馬術がヨーロッパ貴族層、宮廷に普及しました。

華やかな式典などにも古典乗馬は重要な役割を担っていました。

ルネッサンス時期は"古典に学ぶ"ということは重要でしたので、それをベースにしながらさらに改良などを加えて発展させていきました。

中世の頃は馬上試合などもよく宮廷で行われ、騎士達は剣や槍を持ちながら馬に乗ってぶつかり合いました。

片手では馬を操るわけですから、乗りやすい馬で、従順な馬が好まれたのは容易に想像できます。

そのような馬は"戦闘"にも活躍しましたから、それに合わせての動き方などが重要視されたことも理解できます。

16世紀末から18世紀半ばにかけてこのLipizzanerは世界最高の軍馬のひとつとも見なされていました。

このスペイン乗馬学校の現在の乗馬ホールが作られたのも、マリア・テレジアの父であるカール6世の時代です。

ウィーンのスペイン乗馬学校はこの伝統をしっかりと受け継いでいます。

 

Lipizzanerは頭がよく、強靭な体をもつことから、古典馬術に最適です。

選ばれたエリートLipipizanerがウィーンの王宮に呼ばれ、4歳から教育(養成)が始まり、平均的に10歳までの6年間の教育を受けてデビューするわけですね。

華やかな現役生活後は25歳ぐらいで定年となり、豊かな年金生活が待っています。

 

 

機会があれば是非、スペイン乗馬学校を御覧下さい。

パフォーマンスは週末が多いですが、朝の練習は予約せずにその場で見ることができます。

 

 

 

以下スペイン乗馬学校2018年のプランです。

 

 

 

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