オーストリアのガイド業務は国家ライセンス制度であり、空港送迎、食事、ショッピングアテンドも営業許可証が必要です

オーストリアの法律では、仕事としてガイドができるのは国家試験をクリアーし、国家資格を持った、オーストリア政府から公認されているライセンスガイドでなければいけません。

 

この内容は定期的に掲載しています。

何回も読んでいる方には本当に申し訳ありませんが、認識不足の方が未だに多いことや業界でも話題になっていることですので御理解をお願い致します。

 

ここに定期的に紹介する意図は日本からのお客様はもちろんですが、実際にはそれ以上にウィーンに在住していて違法行為をされている方々にも知って頂きたいからです。たいていの方はそのような国家規定があることを御存知ないかもしれませんので、悪意があってやっているわけではないかもしれません。しかしここオーストリアでの違法行為には変わりません。

 

オーストリアで観光ガイドとしてお客様をアテンドしてお金を頂く場合はオーストリア政府が定めている国家ライセンスが必要です。

個人で自由に観光する場合を除いて、団体ツアーであろうが個人旅行であろうがオーストリアにおいて(ウィーンでの観光ももちろん)ガイドを必要とする場合はオーストリア国家公認ガイドでなければいけないという法律になっています。

 

最近インターネットの手軽さもあって、オーストリアにただ単に長く住んでいる人、学生や別の仕事を本来しているような人、主婦の片手間などでガイドサービスやアシスタントサービスをインターネット上などで提供しているのをまだ見かけますが、このような方々がオーストリアでの国家ガイドライセンスを所持せずにお金を頂いて観光案内をしたり、食事やショッピングなどのアテンドや空港送迎をしてお金を頂く場合は違法となります。

そのため、当局からのコントロールがあれば当然罰金が課せられるわけです。

 

そのような方々が労働許可もなくお金を頂いて仕事をした場合は、"ノーライセンス"と"不法労働"といういことで2つの罰則が課せられます。

つまり、正規のオーストリア国家公認ガイドは国家ライセンスと営業許可証の2つを所有しています。

 

オーストリア国家公認ガイドは"Staatlich geprüfter Fremdenführer"と正式に言いますが、単純にFremdenfürer(フレムデンフューラー)と呼ぶことが多いです。

 

オーストリアの法律で"ガイド"として仕事ができるのは、オーストリア政府から公認されているオーストリア国家公認ガイドでなければいけません。

オーストリア国家公認ガイドとして仕事をするためには、オーストリア当局が定める国家試験をクリアーして、国家ライセンスを所持していなければいけません。

 

 

オーストリア国家公認ガイドはこの写真に見られる政府公認ガイドであることを示すロゴを仕事中必ず掲げていて、オーストリア当局の身分証明書を必ず携帯しています。

オーストリア国家公認ガイドはオーストリア全土を案内することができます。

              

それに対してアシスタントは空港送迎やショッピング、食事アシスタントを専門に行い、観光案内はできません。

こちらでは"Reisebetreuer"(ライゼベトロイヤー)と呼んでいます。

アシスタントの場合は国家試験制度ではありませんが、オーストリア当局からの労働許可が必要です。

      

厳密にはガイド業務の中に、アシスタント業務が含まれますので、オーストリア国家公認ガイドはアシスタントとしても働けますが、逆にアシスタントはガイド業務をすることはできません。

  

ウィーンの場合、空港送迎は時間がバラバラですので、現実的に送迎はアシスタント業務になることがほとんどです。もちろん、空港から観光が始まるとか、逆に観光の終わりが空港であるということもよくあるので、ガイドも空港にはよく行きます。

 

前述したように、ただ単にオーストリアに長く住んでいる人が、無償で知り合いをガイドしたり、空港送迎をする場合はいいですが、お金を頂いて仕事としてやる・・・ということであれば話が違ってきます。

このような方が公認ガイド資格もさることながら、アシスタント業務の労働許可も所有せずに仕事をしている場合は"違法"となります。

      

見つかった場合はオーストリア当局から多額の罰金を命じられ、最悪の場合はEU外に退去させられる可能性もあります。

不法労働者に仕事を渡すこと自体が違法行為であるため、お客様御自身も不法労働者を雇ったことに対しての当局からの尋問を受けることになります。

 

街中では定期的に当局が抜き打ちコントロールをしています。

例えば日本からの添乗員さんが、お客様を連れている時に、当局がコントロールをして捕まったケースもあります。添乗員さんとしては案内するつもりはなく、ただ連れて行くだけだと思ってたかもしれませんが、当局から見れば案内しているように見えたのでしょうか。

 


私達旅行業界では公認ガイドもアシスタントも皆顔見知りです。主な観光場所や空港などで皆さん頻繁に会うわけで、見ず知らずの人が仕事をしていればすぐに目立つわけです。

新しく許可を取って仕事を始める場合は挨拶するのは常識ですから、最初は初めて見る顔でも正規に仕事をしていれば立派な同僚です。

逆に違法労働者をオーストリア当局に訴えることも簡単です。

 

そこで・・・

ガイドやアシスタントを選ぶのはお客様自身ですので、依頼された人物が正規のガイドやアシスタントであろうとなかろうと、お客様が満足できれば関係ないかもしれません。

しかし、オーストリアで仕事をする以上、それに伴った許可もなく、無登録で日本からのお客様をアテンドして料金を取る場合は100%違法行為となります。

万が一旅行中何かあった時には公認ガイドと一緒であれば安心ですが、無登録の人物であれば前述したように警察や当局でトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

 

 

 


連邦産業院のサイトで調べられます

 

依頼した人物が正規にオーストリアで営業許可証をもっているかどうか以下のサイトからチェックされてみてはいかがでしょうか?

Wirtschaftskammer Österreich (WKO)

 

これはオーストリア連邦産業院のサイトで、オーストリアでのあらゆる分野の正規事業主が登録されています。

 

このページの左上にある"Firma"の欄に苗字でも名前でもローマ字で入れてみましょう。

依頼された人の名前、住所、オーストリア国家公認ガイドであれば"Fremdenführer"、 アシスタントであれば

"Reisebetreuer" と出てくればオーストリアで正規会社登録されている人物ということになります。

逆に全く名前が見つからなかったら許可がない違法労働者です。


UID ナンバーを所持しているかどうかのチェック

 

さらに・・・

オーストリア国家公認ガイドや正規アシスタントは事業主として会社登録していて、UID ナンバーを必ず所持しています。

UIDナンバーとはUmsatzsteuer-Identifikations-Nummer の略で、EUで定義されている売り上げ税番号で、EUで個々の事業主がそれぞれ所有している番号です。

 

オーストリアは"ATU"から始まる8ケタの数字で、領収書に必ず載せなければいけません。

以下のサイトで依頼した方の苗字でも名前でもローマ字で入れてみて下さい。

正規登録していればその人物のATUナンバーが必ず示されます。

逆に何も出て来なければ違法労働者と判断することができます。

 

http://uid-suche.at/suche/   

 

 

ここオーストリアの旅行業界のシステムは、国がちゃんと定義をしていて、法的にしっかり決められています。

 

 

 

 

 

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