ヤン・ファン・エイクの肖像画

ウィーンの美術史博物館は私がウィーンで大好きなスポットのひとつで、ここは建物の中にいるだけで幸せな気持ちになれます。

その建物の素晴らしい内装に合う作品が目白押しなので、このコーナーでも時間を見つけて様色々な絵画を紹介しています。

 

今日は初期ネーデルラント絵画の創始者とも言われている画家の一枚です。

 

 

この肖像画はニッコロ・アルベルガーティ枢機卿で、100年戦争の終結に向けてローマ教皇からの使命によりイギリス、フランス、ブルゴーニュの宮廷間を行き来したカルトジオ会の修道院長です。

枢機卿の年老いた顔が非常にリアルに表現されていて、彼の落ち着いた威厳を感じ取ることができます。

この絵は34cm x 27cmという小さなサイズにもかかわらず、非常に印象的な肖像画となっています。

とても15世紀前半の1435年頃に描かれたとは思えない描写力です。

 


 

ヤン・ファン・エイクは絵画史上非常に重要な画家のひとりで、1390年頃にマースエイクで生まれたとされ、1441年にブリュージュで亡くなっています。(共に現在のベルギー)

実は幼少期のことはあまりわかっていません。

兄のフーベルトも有名で優れた画家であり、2人の合作と言われているゲント(ヘント)の祭壇画はあまりにも有名です。

ファン・エイクはバイエルン公ヨハン3世の宮廷画家であり、彼が亡くなった後、ブルゴーニュ公フィリップ3世(フィリップ善良公)の宮廷画家として1425年頃からブリュージュで活躍します。

 

当時の画家達が不特定多数から注文を受けて生計を立てていたにもかかわらず、ヤン・ファン・エイクは並外れた収入があったと言われています。

そのため、画家達の中でも特別な地位を占めるようになったようです。

 

イタリア初期ルネッサンスとは異なって、ギリシャ、ローマ時代の理想的な再現ではなく、ありのままを正確に自然に描写するというコンセプトが初期フランドルには見られます。

 

ヤン・ファン・エイクと言えばすぐに思い浮かぶのは油絵の技法を完全なものにしたということでも知られています。

(ファン・エイク兄弟以前にもフランドルでは油絵は描かれていました)

顔料を亜麻仁油(リンシードオイル)で溶かし、何重にも塗り重ねができ、微妙な色のニュアンスを出せるもので、写実的な表現に適していました。

この油絵の技術ががイタリアに伝わったことは有名です。

 

では最後にヤン・ファンエイクとフーベルト・ファン・エイクの有名な像を掲載します。

これはゲントにある(ベルギー)バーフ大聖堂の前です。

ここに神秘の子羊で知られる有名なゲントの祭壇画があります。

 

 

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