テセウスの神殿

ウィーンのリンク道路沿いには5つの大きな公園がありますが、そのひとつであるVolksgarten (フォルクスガルテン)・・・国民庭園はバラがこの時期とても綺麗な庭園です。すぐそばには王宮、国会議事堂といった荘厳な建造物があります。

 

この中に入るとすぐに目立つギリシャ神殿のようなものが建っています。

 

この小型のギリシャ神殿は"テセウス神殿"と呼ばれていて、この公園の中にポツンと建っています。

これはスイス生まれでウィーンで亡くなったオーストリアの宮廷建築家Peter von Nobile (1774-1854)によって1823年に建てられました。
リンク道路時代よりも前ですね。
この神殿が建っている場所は、かつての城壁の掘り部分なので、土台がかなり深くまで入っています。
幅14m,奥行き24,7m,高さ10,5mという大きさです。
 
城壁が取り壊されてリンク道路ができるのは19世紀後半の1865年ですから、この神殿はそれより前です。それでなぜ前述したように掘りの部分に建てられたかというと、この辺りの城壁だけに関してはナポレオンがすでに壊させていたからです。
 
これを作らせたのはマリア・テレジアの孫のひとりフランツⅡ/Ⅰ世皇帝です。
彼が新婚旅行でローマに行った時に、当時ヨーロッパで一番有名な彫刻家のひとりアントニオ・カノーヴァのアトリエを訪れ、カノーヴァの"ケンタウロスと戦うテセウスの像"を収める場所としてこのテセウス神殿が建築されました。

そして実際にこのVolksgartenのテセウス神殿の中にカノーヴァの像が置かれていました。

でもその像はもうここにはありません。
 
現在その像は1890年からは意外な所にあります。
それは美術史博物館の大階段ホールに置かれています。
 
ちなみにこのカノーヴァのケンタウロスと戦うテセウスの像はもともとナポレオンのために制作されましたが、ナポレオンが引き取らなかったためフランツ皇帝の物になったと言われています。
 
 

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