ウィーンの真ん中に建つシュテファン大聖堂はウィーンのひとつのシンボルであり、
歴史的にもとても重要です。
場所的にもケルントナー通りとグラーベンという重要な歩行者天国のほぼ交差した所に位置しているため観光の皆さんの目印にもなり、旧市街を歩けば何度となく通るでしょう。
このシュテファン大聖堂は1147年からずっとこの場所で歴史を見つめてきましたし、
大聖堂自身にも様々な重要なものが目白押しです。
このコーナーでも知らない間にシュテファン大聖堂の色々な物について書きました。
今日ここで紹介する物もそのシュテファン大聖堂にあって、しかし知られていない
ちょっと重要な物です。
シュテファン大聖堂の有名な説教壇、当時のステンドグラス、記念プレート、
涙を流す聖母マリア、プンメリン、ローマ時代の墓石、モーツァルト最後のお別れの場所なども是非御覧下さい。
シュテファン大聖堂に入ると、ずっと左側にこの写真に見られるDom Shopがあり、ここは司教の門と言われています。
ここには絵葉書やガイドブックなどが売られている大聖堂の小さなショップになっています。
このショップの入口には左右2つの扉がありますが、この右側の扉側の柱のちょっと上辺りに今日のテーマである"コロマニ石"がはめ込まれています。
コロマニ石はこの写真のように
柱の中に真鍮の枠と共に埋め込まれていて、人間の右手のような形に色が変色しています。
コロマンはアイルランド人のいい所の出の巡礼者で(一説には王様の子とも)1012年ウィーン近郊のStockerauで不審な身なりや外国語を話したことからスパイの容疑をかけられ、拷問され、ニワトコの木に絞首刑となりました。
伝説によればコロマンの遺体は2年経っても腐らず、しかもその枯れていたニワトコの木が再び緑を吹き返したということからバーベンベルクのハインリヒ1世がコロマンの遺体を1014年にメルクに運ばせました。
聖コロマンがこの石の上で殉教したとされ、このコロマニ石は1361年にここに埋め込まれました。この石の後ろには鉛でできた聖遺物を入れる箱があり、たくさんの聖遺物が埋め込まれているとされています。
この石に触れる者は、祝福と幸運を授かると言われています。