レストラン ヘルドリッヒスミューレ(Höldrichsmühle)

ウィーンはかつての帝国の都ですから、荘厳な建造物が多く建ち並んでいますね。

また、"森の都"と形容される通り、街中は緑が本当に多く見られます。

ある程度ウィーンで時間が取れる方は、やっぱり"ウィーンの森"にも足を延ばして見たいなと思われるはずです。

ガイドブックなどでもウィーンの森は必ず紹介されていますよね。

ウィーンの森と言っても広大で、広さは1.250km²もあるわけで、北、西、南とウィーンを

3方向から囲んでいます。

そのため観光ポイントも大きく3か所に分かれるわけで、これを全部見ようと思ったら時間がいくらあっても足りません。

現地のツアーなどに乗らず、個人的に行こうと思ったら、北の森の方が手っ取り早いです。

カーレンベルクベートーヴェンの遺書の家ベートーヴェンの散歩道などが定番です。

しかし、比率的には圧倒的に南の森に行くことが多いわけです。

南の森はウィーンの外にあり、非常に行きづらい上に、見所がとても多く点在しています。

バーデンハイリゲンクロイツ修道院マイヤーリンクリヒテンシュタイン城ゼーグロッテなどがこの南で一般的な観光ポイントです。

 

その中で今日は今までなぜか話題にしなかった、でも南の森では重要な観光ポイントのひとつであるシューベルトゆかりのレストランHöldrichsmühle (ヘルドリッヒスミューレ)について少し紹介します。

 

シューベルトゆかりのレストラン

Höldrichsmühleはウィーン中心から車で22km南へ走った、Hinterbrühl(ヒンターブリュール)という街の一角にあります。

近くにはヨーロッパ最大の地底湖ゼーグロッテがあり、緑に囲まれた閑静な場所です。

このヘルドリッヒスミューレは1786年から存在していて、18世紀終わりから19世紀にかけてここはウィーンからとても人気のある散策での目的地となっていました。

シューベルトは1820年~1826年の間に仲間とよくこの地域を訪れ、森の散策を楽しみ、自然の美しさに触れることを好みました。

その際にこのヘルドリッヒスミューレには何回か滞在し、緑豊かなこの地域で有名な「菩提樹」の発想を得たようです。

 

菩提樹「Der Lindenbaum」はシューベルトの歌曲「冬の旅(全24曲)」あるうちの5曲目で、単独で有名になっていますね。

上の写真にも菩提樹が見えています。

 

"Mühle"ミューレは水車小屋という意味ですが、ここはもともとワイン農家のぶどう畑を管理する建物だったようですが、その後水車小屋に変えられました。

その後1786年からこのようなレストランとしての歴史があります。

シューベルトは1797年にウィーンで生まれていますから、そのちょっと前にこのレストランがオープンしたことになりますね。

 

シューベルトの生家シューベルトのますの泉シューベルトの泉シューベルトのお墓も是非御覧下さい。

 

 


 

左上の写真はレストランの壁にシューベルトの顔と菩提樹の出だしの楽譜が見られます。

ここを訪れた皆さんは必ず記念としてこの写真を撮ります。

ここのテラスでもお茶を飲むことができます。

 

右上はヘルドリッヒスミューレの正面入り口です。

ここはレストラン、カフェだけでなくホテルにもなっていて、オーストリアの地元からや

企業人などのセミナーなどに幅広く利用されています。

 


 

こちらがが本来のテラスで、建物の内側にあり、ウィーンの森の心地よい空気を感じながら

のんびりとしたひと時を過ごすことができます。

 

レストラン内部はなかなかエレガントな雰囲気で、アーチ的な壁が印象的です。

ここは食事もおいしく、ケーキもお勧めです!

 

こちらはレストランの中に飾られている当時のヘルドリッヒスミューレの風景画です。

これはビーダーマイヤー時代の代表的な画家のひとりであるFerdinand Georg Waldmüller(フェルディナンド・ゲオルグ・ヴァルトミュラー)のもので彼はウィーンの森の生活風景を多く描き、このヒンターブリュールで亡くなっています。

この絵はこのヘルドリッヒスミューレが当時どのようであったかを教えてくれます。

菩提樹が描かれていますね。1枚目の写真と比較してみて下さい。当時の雰囲気が今でもちゃんと感じられます。

 

 

このヘルドリッヒスミューレにはシューベルトの人形があることで知られていましたが、何年も前にどかされました。

ここには当時の井戸や水車小屋に使われていた石を見ることができます。

最後にシューベルトの人形がここにまだいた頃の写真を掲載します。

 

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