ウィーンフィル ニューイヤーコンサート(2020年)覚え書き

去年の12月からずっと忙しくて、クリスマスだけを除いて年末年始も休みなく仕事をしました。

昔は昼間の観光の後、夜のナイトツアーなどもやってその後さらに空港にお迎えに行くなんてこともしてましたが、年齢と共に体力の回復が遅くなりますので(笑)、今はよっぽど特殊でない限りは夜は仕事をしません。

去年の大晦日は観光スポットの大混雑に巻き込まれながらも無事に終わって夜は紅白を見ながら家族とのんびり年越しをしました。

元旦は早朝から早速仕事を開始しましたが、毎年のことながらウィーンフィルのニューイヤーコンサートがずっと気になっていました。

ニューイヤーコンサート中に、皆さんに楽友協会ホールの前で御案内するのはちょっと複雑な気持ちになりますね。

私も毎年ニューイヤーコンサートは楽しみにしていまして、今年のニューイヤーを去年からもウィーンフィルのサイトに申し込んでいましたが、抽選で外れてしまいました。

最も当たる確率はほとんどないでしょう。

そんなわけで毎回ニューイヤーコンサートは自宅の特等席で見るわけですが、今年も仕事の後楽しみながら見ました。

今年も覚え書きを残したいと思います。

 

今年もニューイヤーコンサートはリンク道路付近を上から見た映像から始まって、シュテファン大聖堂が最初に登場し、カメラが移動してホテルインペリアル、そして楽友協会ホールの建物が映し出され、この正面入り口の扉が開いて視聴者も中に入って行くような演出で始まりました。去年2019年ニューイヤーは初めてとなったChristian Thielemann(クリスティアン・ティーレマン)でした。

彼はドイツのベルリン出身で去年ちょうど60歳になり、。まだベルリンの壁があった頃に生まれた方で、ベルリンの西側出身です。

去年はベルリンの壁が崩壊したちょうど30周年記念したね。

今年はニューイヤーを振るのは初めてであったAndris Nelsonsさんでした。

彼は1978年生まれ、ラトビア出身の指揮者でウィーンフィルとの関係は2010年より続いていて、定期演奏会、海外公演、ザルツブルク音楽祭など多くの共演をしています。

 

今年の最初の演目は

Carl Michael Ziehrerのオペレッタ 序曲 "放浪者" から始まり、

2曲目にはJosef Straussの"Liebesgrüße,Walzer op.56"で、この時に映像ではザルツブルクが登場しました。

今年はザルツブルク音楽祭100周年記念の年ですね。

 

3曲目はJosef Straussの"リヒテンシュタイン行進曲 op.36 "です。

4曲目はJohan Strauss II.の"Blumenfest- Polka  op.111"、

5曲目はJohan Strauss II.の"Wo die Zitronen blüh’n, Walzer, op.364"

6曲目はEduard Straussの "Knall und Fall,Polka schnell op.132" と続き、その後恒例の休憩となります。

 


今年はベートーヴェン生誕250周年で、ベートーヴェンがテーマとなりました。

"Beethoven Blätterwirbel"  (The Lost Music)というタイトルです。

ベートーヴェンが作曲している光景から始まり、お手伝いさんが窓を開けた時に楽譜が外に飛び出してしまい、ウィーンや近郊に散らばってしまいます。

それをウィーンフィルメンバーのベートーヴェンの調べをバックに、女性がその楽譜を拾い集めるという内容です。

バーデンにあるベートーヴェンテンペルでの演奏風景、第九の家、バーデンの街を空から映し、ウィーンに戻ってLeopoldsberg、ドナウ河、ハイリゲンシュタット界隈とぶどう畑、ベートーヴェンのホイリゲMayer、ベートーヴェンの散歩道と記念像遺書の家散歩している記念像エロイカハウス、GneixendorfのWasserhofとKnieselhaus、ウィーン旧市街、ロブコヴィッツ宮殿、Ballgasse、パスクヴァラティーハウス、Mölker Steig、エロイカホール、ベートーヴェン広場、ヨハン・シュトラウス像ナッシュマルクトTheater an der Wien、国立図書館のPrunksaalに交響曲10番として集めた楽譜が置かれました。

 


後半は例によってシュトラウスファミリーが多かったわけですが、ベートーヴェンの曲も演奏されました。

 

7曲目Franz von  Suppè オペレッタ "軽騎兵" 序曲

8.Josef Strauss "Cupid-Polka française  op.81"

9.Johan Strauss II. "Seid umschlungen,Millionen!  Walzer op.443" (もろびと手をとり)

ここでは男女3組が旧市街にあるプリンツ・オイゲンの冬の宮殿でバレエを披露しました。

最近の演出では恒例であった美しき青きドナウでのバレエがなくなっていますね。

 

10.Eduard Strauss  " Eisblume,Polka mazur op.55"

11.Jpsef Hellmesberger Sohn "Gavotte"

ヘルメスベルガーはオーストリアの作曲家で、ヴァイオリニスト、指揮者でもあり、美しき青きドナウの初演の際の合唱団のメンバーで舞台に立っていました。

 

12.Hans Christian Lumbye "Postillon Galop  op 16/2 "

ここでは指揮者ネルソンスさんが自らトランペットを吹くという演出がありました。

 

13.Ludwig von Beethoven  "12Contretänze " WoO (Werk ohne Opuszahl...作品番号無し)

ここでは2組の男女ヤコブ教会前とハイリゲンシュタットの遺書の家の中庭でバレエが披露されました。

 

14.Johan Strauss II. "Freuet euch des Lebens,Walzer op.340"

この曲の時には楽友協会の資料室やブラームスホールが紹介されました。

今年は楽友協会ホールの150周年記念の年でもあります。

 

15.Johan Strauss II. "Tritsch-Tratsch, Polka schnell  op.214"

16.Josef Strauss  "Dynamiden, Walzer op.173"

 

以上が後半の曲でした。

 

ここからアンコールとして

18.Johan Strauss II. "Im Fluge, Polka schnell op.230"

 

そして伝統である

19.An der schönen blauen Donau op.314 (美しき青きドナウ)

 

 

美しく青きドナウでは演奏を始めてからすぐ止めて、ネルソンスさんが振り返って皆さんに新年の挨拶をウィーンフィルと共にするという伝統ももちろん行われました。

 

この曲が演奏された時は、今年はオットー・ヴァーグナーのドナウ運河が始まる場所にあるNussdorfer Wehr und Schleuseanlage(ヌスドルファー・ヴェーア・ウント・シュロイゼアンラーゲ)が最初に登場し、その界隈のドナウ河、そしてKahlenbergerdorf、ドナウ運河にウィーン川が注がれる場所、Stadtpark、Volksgartenなどウィーンの街が万華鏡のように紹介されました。

 

最後はもちろん

20.Johan Strauss Vater "ラデツキー行進曲 op.228"

 

今年のニューイヤーも去年同様、何か特別なハプニングがあったわけではありませんが、ウィーンフィルと友好な関係にあるネルソンスさんとの一体感と暖かい空気が感じられて良かったですね。

毎年のことですが地元の評判もいいです。

 

 


ウィーンフィルのニューイヤーコンサートが行われる場所は楽友協会の黄金の間です。

このホールは世界で最も音響がいいホールのひとつで、ウィーンフィルの本拠地となっています。

私も数え切れないぐらいホールの中を御案内していますが、ニューイヤーコンサートの時は花が飾られ綺麗に装飾されますから普段とは全く違います。

 

ニューイヤーコンサートは3回あるということはあまり知られていないようですね。

12月30日、31日、1月1日の3日間で、3日間とも同じ顔触れで同じ内容で行われますが、1月1日だけは世界に生中継で、また他の2日間から比べればチケットもかなり高くなっています。

 

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの始まりはクレメンス・クラウスの指揮で、1939年の大晦日でした。

つまりニューイヤーコンサートではなかったわけです。

しかし、次の年1940年大晦日と翌日1941年1月1日と2日続けてコンサートが行われ、その時からニューイヤーコンサートが始まったというわけです。

 

 

 

 

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