ウィーンは神聖ローマ帝国の皇帝の居城として長らく栄えてきた街です。
宮廷文化が栄えたわけですから食事もおいしいです。
一般的ウィーン3大名物料理として、ウィーンナーシュニッツェル、ターフェルシュピッツ、ツヴィーベルローストブラーテンが挙げられます。
どうしても肉がメインとなることが多いわけですが、メニュー(Speisekarte)を見ればそれ以外に多くの料理があることがわかります。
オーストリアは海こそは現在ありませんが、氷河から形成された美しい湖が無数にあり、ドナウ河を始め、アルプスを貫く多くの川が存在していますので淡水魚が多く食べられます。
川や湖などは地球全体のほんのわずかの面積しかないにもかかわらず、淡水魚は世界で現生している魚の43%もあるそうです。
日本だと淡水魚はくせがあると言う人が多いですが、こちらではそんなことはなく、鱒(ます)料理などは当たり前のように好まれています。
例えばドナウ河にはBachforelle(カワマス)、Barsch(ペルカ)、Hecht(カワカマス)、Zander (パイクパーチ)、Wels(ナマズ)、Huchen(ドナウイトウ)などの魚も生息しています。
今回はHechtを紹介します。

こちらは
Gebratener Seehecht mit Petersilienkartoffel und Salat です。
Hechtはカワカマスですが、Seehechtはメルルーサです。
最もメルルーサはタラ目メルルーサ科の海水魚の総称ということです。
淡水魚の話をしていて、こちらは海水魚なんですね。
同じHechtでもSeehechtですから海のHechtですね。
Seeはドイツ語は男性名詞の場合は湖、女性名詞の場合は海を表しますが、こちらで海はMeerを使うことが多いので、SeehechtもMeerhechtと呼ばれることもあります。
現在海はないオーストリアですが、海水魚も食べられます。

こちらのSeehechtはヴァッハウ渓谷のDürnsteinにあるDürnsteinerhofで食べたものです。
ちょうどいい焼き具合、タラに似たような食感で、軽いニンニクのアクセントも利いてて、パセリが振りかけられたジャガイモとよく合います。
間違いなく日本人の口に合い、醤油やポン酢などでも行けると思いますね。
でも私はこのスタイルの方がいいです。
レストランに入ったらそれなりに魚料理もあります。