ウィーンの3大名物料理と言えば、Tafelspitz(ターフェルシュピッツ)、
Zwiebel Rostbraten (ツヴィーベルローストブラーテン)、そして何と言っても最もウィーン料理としてポピュラーなWiener Schnitzel (ウィンナーシュニッツェル)です。
あまりにもウィンナーシュニッツェルが身近すぎたので、このコーナーに登場するのが
今頃になってしまいました。
Wiener Schnitzel (こちらではヴィーナー・シュニッツェル)は、"子牛のカツレツ"が
定番ですが、ポークシュニッツェルも非常にポピュラーで食べられています。
場所によっては鶏肉のシュニッツェルも見ることができます。
暑さ数ミリの子牛の肉を、シュニッツェル用の小さなハンマーで叩き、塩を振り掛けます。
小麦粉をまぶし、とき卵につけて、ゼンメルのパン粉をまんべんなくつけて、160℃~170℃のラードでフライパンで揚げます。
ラードの代わりに食用油でもOKです。うちではいつも食用油で揚げています。
このゼンメルのパン粉が日本の通常のパン粉と違って、サラサラの砂のようなパン粉で、
シュニッツェル特有の衣ができあがります。
作る上でのポイントは・・・
ゼンメルのパン粉を肉に強く押し付けないことで、カラッと仕上がり、衣が肉をふんわり
包みます。
また揚げる時にシュニッツェルは油の中に浮かせることと、何回も油の中で動かすことで、まんべんなく肉に火が通ります。
Wiener Schnitzelという名称はどうやら19世紀終わりに定着したようですが、もっと前の
1831年のある料理の本で確認できます。
有名な伝説として語り継がれているのは、時のフランツ・ヨーゼフ1世の統治時代、
1848年の3月革命時から1849年においてのイタリアのSanta LuciaやNovaraの戦いで
大活躍し、有名になるラデツキー将軍が "Costoletta alla milanese"という
ミラノ風カツレツを持ってきた・・・という説です。
でもこれは歴史的検証から否定している学者もいます。
いずれにしてもウィーンではWiener Schnitzelは色々な所で食べられます。
できたてのシュニッツェルにレモンを絞って、軽く塩をかけて食べます。
ここで紹介したシュニッツェルはちょっと意表をついた"デーメル"のものです。