ウィーンは荘厳で華やかな歴史的建造物がたくさん建っています。
そのため街中をただ単に歩いているだけでも十分楽しめますし、また歩いてみよう・・・と思わせる上品で優雅な街です。
どの建物の中にも中庭があり、お馴染み知られざる美しい中庭風景というタイトルでいくつも紹介しています。
そんな美しい中庭風景と同じように、建物の中にある階段ホール構造も絵になる美しい空間がたくさんあります。
前回の美しい階段ホール7からだいぶ時間が経ってしまいましたが、今日はその8です。

こちらはお馴染みベルヴェデーレ宮殿の上宮の階段ホールです。
前回は上の方からこの階段ホールを眺めていましたが、今回は普通にこの階段ホールを見ています。
下から真ん中にある階段を上がって来て、今度は180°後方に上の階に向かって左右対称に2つの階段がそれぞれ作られているというこのパターンはバロック様式によく見られます。
このスペースは吹き抜け的になっていて広い空間を意識でき、ロウソクの照明も丹念に美しく豪華な装飾が施されていてこの空間を引き立ててくれます。

こちらの階段ホールは面白いですね。
楕円形の渦巻き構造になっています。
シンプルな作りであるながら、"楕円形"というバロックの典型的な要素が何気なく、そして力強い存在感を示しているのがこの角度から見て初めて分かります。
この場所はウィーン旧市街のAnnagasse8番地で、Täuberlhofと名付けられています。
最も古い記録では1388年となっていますが、現在の建物は1730年、まさにベルヴェデーレ宮殿の建築家Lucas von Hildebrandtの設計によるものです。
階段ホールはその場所に来る人にしか見られないものですが、個性がそれぞれあり面白いです。