ウィーンでシェーンブルン宮殿は絶対に外せない重要なバロック建築で、世界遺産にも
登録されていますね。
でもバロックという観点から見ると、ベルヴェデーレ宮殿の方がずっと美しいバロック宮殿
です。
このベルヴェデーレ宮殿は上宮と下宮とあるわけですが、この上宮はクリムトの接吻があることで知られていて、下宮と共にオーストリアギャラリーという美術館になっています。
この上宮の代理石の間では1955年5月15日、4ヶ国との国家条約が結ばれて、オーストリアが永世中立国になる基本の一歩が始まりました。
今年5月15日はその60周年記念という大変おめでたい日で、国家的セレモニーが行われています。
この大理石の間には右の写真に見られる
素晴らしい天井フレスコ画があります。
2013年11月21日付のベルヴェデーレ宮殿の美しいフレスコ画を参照して下さい。
カルロ・カルローネによって描かれた天井フレスコ画です。
大理石の窓わくを持った窓の上辺から垂直にせり立っているように柱や空間が
描かれていますね。
下から見ていると大変ドラマチックな
フレスコ画で、リアルな空間と立体感を
存分に発揮しています。
しかし・・・
この窓の上辺から青い空が描かれている
天井までの高さがたった1m50cmです。
それを今日は別の角度から見てみましょう。
こちらは代理石の窓枠がある窓の水準から天井フレスコ画を見ています。
1枚目の写真と比べてみて下さい。
窓から天井までがいかに狭い空間であるかということがわかりますね。
これを見れば1m50cmしかないということもハッキリわかります。
右上の写真はせり立っている部分が明らかに天井部分に描かれていることがわかります。
この高さで見ていると全くと言っていい程立体的には見えません。
しかし、1枚目の写真のように下から見上げた時にこれだけ垂直にせり立っているように、
なおかつリアルな立体感や空間を演出しているわけです。
フレスコ画は色を染みこませたら直しが困難であるので、半ば一発勝負的な所があります。
そのため経験が必要で熟練された職人のみができる神業!?です。