"カフェ" はウィーンの生活で欠かせない一面となっています。
地元の多くの方が行きつけやお気に入りのカフェを持っています。
ウィーンには100年以上も続く伝統あるカフェハウスがたくさんありますから、ウィーンに来たらどこか有名なカフェに入ってちょっとゆっくりする時間も大事です。
ウィーンのカフェはこの街同様に奥が深いものとなっていて、伝統カフェハウスでは"コーヒー"という名称自体が存在していません。
それぞれのカフェにはメランジェなどのように独自の名称がありますからそれを言って注文します。
今日は独自の名称のひとつであるカフェを話題にします。
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こちらはCafé Centaral(カフェ ツェントラル)のアインシュペンナー(Einspänner)です。
カフェ ツェントラルは個人的にはあまり行きませんがここを通るとたいてい入口に行列ができているので、旅行者にとって人気のカフェであることがわかります。逆に言えば地元の人が少ないようにも思えます。
ここの内装はとても素敵です。
そもそもこのカフェが入っている建物は歴史的重要な建造物で、Palais Ferstel (フェルステル宮殿)と呼ばれ、 ヴォティーフ教会も手掛けた、ハインリヒ・フォン・フェルステルによるもので、1860年に完成しています。
仕事でお客様を御案内している時にここには座らなくてもカフェの中を覗きにくることもよくあります。
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アインシュペンナー(Einspänner)はこちらでいうウィーンナーコーヒーでしょう。
コーヒーが一番下でその上に生クリームが詰めてあります。
グラスで出されるのが定番で、生クリームの比率の方がコーヒーより多いですね。
コーヒーが生クリームを通過する感触を味わう・・・これが通とされています。
昔はコーヒーは高価な物で、庶民には手の届かない物でした。
しかし時代が進んで、庶民が飲み始めた頃・・・
馬車の御者もしょっちゅう飲んでいました。庶民の馬車は1頭立てで、ハプスブルグ家が使ったような6頭立ての馬車ではありませんでした。
彼らは休憩中にコーヒーを飲むことが多かったので次の休憩までコーヒーが冷めないように・・・と生クリームでふたをした...
また、揺れる馬車の上でもコーヒーがこぼれないように、生クリームでふたをした・・・この2つの説が一般的です。
ウィーンの生活の中から生まれたカフェのスタイルだった・・・だからウィーンナーコーヒーです。
でもウィーンナーコーヒーとはならず、Einspännner「1頭立ての馬車」と言われるようになりました。