ウィーンは415km²とかなり広い街で、中心を観光するだけなら徒歩で十分です。
逆に徒歩でしか見られない所がたくさんあります。
しかし、ウィーンは見どころが中心以外にも多く点在していますので、シェーンブルン宮殿やベルヴェデーレ宮殿、ウィーンの北の森界隈などは公共交通機関を使用することになります。
ウィーンは地下鉄、路面電車、路線バス、国鉄が走り、広い街ではありますが、公共交通機関がとてもよく発達しています。
個人旅行をされる方であればウィーンで公共交通機関に乗らないことはまずないでしょう。
団体旅行は専用バスがありますから、皆さんとの観光中に公共交通機関を使用することは少ないです。
しかし、この団体ツアーでも観光中に観光のアトラクションとして、路面電車に乗ることも多くあるんですね。
その場合は"体験乗車"というタイトルで数区間だけ乗ります。
この時はウィーン市民の皆さんと混じって普通に乗るわけです。
ツアーによってはこの"路面電車貸し切り"を売りにしているのもあり、この時は文字通り貸し切りですからチャーターして観光するわけですね。
路面電車をチャーターする時にはたいていリンク道路を1周します。
2008年の秋からはリンク道路を一周する路面電車は廃止され、現在はリンクを一周するためには初乗り券だと2枚必要ですし、乗り換えも必要となります。
それ以外ですとリンクトラムが観光用としてウィーン市交通局から提供されていていますが、これは通常の公共交通機関とは組み合わせができない、専用のチケットとなり9ユーロもかかり、Schwedenplatzからしか乗ることができませんし、30分に1本しか走っていません。
そういう意味でもチャーター路面電車でリンク道路1周するというのはとてもおもしろいです。
今回は添乗員さんを含む団体ツアーの皆さんと去年の7月終わりに路面電車の貸し切りをした時の模様をお伝えします。
例によってに出発場所はKarlsplatzのオットーヴァーグナーパヴィリオンの前からです。
ここですと路面電車は通常の幹線を妨害することなく待機することができます。
今回来たのはローフロアータイプではない、ウィーンらしい路面電車が私達を待っていました。
通常は男性の運転士が来ますが、今回は女性の運転士でツアーの皆さんも喜んでいました。
別に男性が悪いというわけではありませんが・・・。
Karlsplatzから出発し、Schwarzenberg広場経由でリンク道路に入り、まるまる一周しました。
ウィーンのリンク道路は建築の見本市とも言われるぐらい、荘厳な建造物が色々な様式で立ち並んでいますので、非常に重要です。
この時はリンク道路を一周以上して、モーツァルト像がある王宮庭園で降りました。
とても親切な女性の運転士で、走行中に色々な話をしてくれました。
チャーターですから、途中駅はもちろん通過しますが、前に通常の路面電車が止まっていれば私達も止まることになります。
その時に地元の方々が乗車しようと近づいて来たり、扉を開けようとボダンを触りますが反応しないわけです。
貸し切りですから通常の系統番号は表示されてなく、"SONDERZUG"と掲げられているのですが、習慣から見ない人も多くいて乗ろうとするわけですね。
しばらくすると運転士がこれは"特別車両なので乗車できません"という案内を外に流します。
路面電車貸し切りは団体ツアーならではの特権です。
ウィーンの街には路面電車がとてもよく似合っていて、街の風景になっていることがわかります。