19世紀以降日本の文化はヨーロッパ文化にも大きな影響を与えていて、世界の色々な所に日本庭園が造られるようになります。
異文化主義と言ってもいいと思いますが、日本のイメージというものが表現されているのでしょう。
ヨーロッパももちろん例外ではなく、数えるのが大変なぐらい多くの日本庭園があります。
ドイツには多くの日本庭園があり、フランスやオランダ、ベルギー、スイス、イタリア、ポーランド、チェコ、クロアチア、スゥエーデン、ノルゥエー、フィンランド・・・本当にたくさんあります。
ここウィーンにだってシェーンブルン宮殿の日本庭園、世田谷公園、旧AKH内のミニ日本庭園、
寅さん公園などすぐに思い浮かびます。
今日はまた別の日本庭園をちょっと話題にしてみましょう。
こちらはウィーン10区のLaaer Bergの南東の裾野に位置しているKurpark Oberlaa(クアパルク オーバーラー)という大きな公園の一角にある日本庭園です。
入口は上の写真に見られるように、寂しげな空気が漂う日本風となっています。
右側には日本語とドイツ語の説明が書かれたものが立っています。
写真の日本語で書かれたプレートに見られる通り、1974年に開かれたウィーン国際園芸博覧会に出展した日本庭園を長く保存するために群馬県高崎市が1992年、整備して寄贈しました。
ちなみに1974年ウィーン国際園芸博覧会は4月18日~10月14日まで開かれ、260万人が来場しています。
入口から庭園の中に入ると左側と奥の方に広がっていて、岩に囲まれたちょっとした川が真ん中に作られています。
この川は池のようになっていて周りを一周することができます。
数本のカエデも植えられていて風情を感じます。
ここは外から中の様子を見ることができないように高い垣根のようなもので囲まれています。
そのため、中に入ると一挙に空気が変わります。
この場所はウィーン10区の一角で伝統的に労働者階級が多く住んでいる地域にありますので、ここを訪れている人達のいわゆる客層がちょっと違うことがわかります。
しかし、こんな公園の一角に日本庭園があるというのがおもしろいことです。