オーストリアはキリスト教ローマカトリックが圧倒的に多く、国内全体的に80%は下りません。ウィーンなどは脱会する人も多いのでそこまでの比率ではありませんが街を歩けば美しい建築様式の教会がたくさん見られます。
これはハプスブルグ家がほぼ例外なくカトリックを守ってきたこともありますが、それ以上に西側はキリスト教の本来の性格を受け継いでいる東方正教会を主体とした東ローマ帝国に対抗するために神聖ローマ帝国の政治勢力と結びついてどんどん勢力を伸ばしてきました。キリストは復活しますから遺体は"埋葬"ということになり火葬はされませんでした。そのため、カトリックでは埋葬(土葬)の習慣でうが、近年、火葬も増えてきました。
今日はその辺を見てみましょう。
亡くなった人の数 | 埋葬(土葬) | 火葬 | |
2010年 | 77.199 | 67% | 33% |
2011年 | 76.479 | 65% | 35% |
2012年 | 79.436 | 65% | 35% |
2013年 | 79.526 | 62% | 38% |
2014年 | 78.252 | 60% | 40% |
2015年 | 83.073 | 58% | 42% |
※Statistik Austria より
年々火葬が増加していることがわかります。正直言って火葬の割合がこれだけ多くなっているとは思いませんでした。地域で見るとVorarlberg州が火葬の割合が90%と最も高く、逆にBurgenland州では15%しか火葬の割合がないので圧倒的に埋葬ということになります。
オーストリアでは2015年には83.073人が亡くなっています。これは1日に換算すれば227人が亡くなっていることになります。1日に200人以上の葬儀があるわけですから葬儀社もそれなりに忙しいわけです。葬儀社が忙しいと言えばすぐに19世紀後半の葬儀が豪華になってきた時代を思い起こさせます。現在オーストリアでは544の葬儀社があり、この需要の少しづつの増加に喜びを示しています。
オーストリアでは近年、葬儀にお金をかけるという傾向が見られます。楽隊が葬儀に演奏する場合や、現場だけではなくさらにインターネット上に弔問者記帳簿などを公開したりする人が多くなっています。
また、告別式は身内で行う傾向が増加していて、葬儀にお金をかけてもたくさんの人が葬儀に来てもらうということが少なくなっているようです。
ちなみにグラーツでは葬儀費用が2.322ユーロ~6.000ユーロで、これには墓石は含まれていません。
こちらでは葬儀保険に入っている方が非常に多く、自分が亡くなった時に遺族に負担をかけたくないと思う人が多いようです。