マリア・テレジア女帝のバイオリン

 

ハプスブルグ家の人達は多くの専門分野を持っていて、宮廷内での教育は様々な分野からのものでした。

特にハプスブルグ家では音楽を専門とする皇帝が多く存在していました。

例えばマリア・テレジア女帝の御祖父さんのレオポルド1世はオーケストラの前に座り、

自らチェンバロを演奏し、指揮をするのが大好きだったといいます。

全音のピアノピースにはレオポルド1世の作曲したものがあります。

こういったことからウィーンは"音楽の都"などという形容にもつながっています。


最も神聖ローマ帝国の皇帝やローマ王の称号がほとんどハプスブルグ家の頭上に置かれていましたし、彼らが拠点としたのはこのウィーンの街だった・・・つまりこのウィーンという街は皇帝の居城だった・・・その帝国の都へ必然的に色々な人々が集まって来たわけで、

音楽もその一部というわけです。

 

マリア・テレジアも音楽にはかなり詳しかったようです。

シェーンブルン宮殿で6歳のモーツァルトが御前演奏をした時、マリア・テレジアは

大変感心し、多くの褒美を与えました。

 

今日はそのマリア・テレジアが所有していたちょっとおもしろいバイオリンについてです。

 

室内照明の関係であまりよくない写真ですが、バイオリンケースに入ったバイオリンと

弓を見ることができます。


このバイオリンは、通常のバイオリンとは全く違い、茶色ではなく、濃いえんじ色で、

近くで見ると赤っぽいことが

わかります。

素材は木ではなくべっ甲から製作されています。



1749年、Wenzel Kowanskiがおそらくウィーンのバイオリン製造業者と一緒に製作されたこのバイオリンは、非常に珍しい物ということでマリア・テレジアが同年3月6日に宝物館用として購入しました。

1749年と言えばちょうどシェーンブルン宮殿が現在の姿になった年です。


素材としてはべっ甲、象牙、金が使われ、ケースは皮と赤のビロードが使用されています。

演奏にはもちろん不適切であることがすぐにわかります。

そのため、演奏用ではなく、珍しい宝物という目的でした。


このマリア・テレジア女帝のバイオリンはウィーンの古楽器博物館で見ることができます。









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