先日シェーンブルン宮殿の復活祭市について書きましたが、
今年の復活祭(OSTERN)は4月20日です。
復活祭を前にしたこの時期、街中には復活祭のシンボルとも言えるものが至る所に
見られます。
それは・・・
"Osterhase (オスターハーゼ)" 復活祭うさぎ
"Osterei (オスターアイ)" 復活祭たまご
"Palmkätzchen (パルムケツヒェン)" ネコヤナギ
が代表的です。
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Osterhase(オスターハーゼ)
Osterhase(オスターハーゼ)が復活祭の
シンボルになったのは、実はそんなに古いことではなく、17世紀終わりからです。
それより前には存在していませんでした。
それまではうさぎではなく、こうのとり、
にわとり、きつねがたまごを運んでくるという習慣はありました。
うさぎは春先にたくさんの子供をもうけます。
それが"新しい生命"を象徴し、そこから
キリストの"復活"と結びつきました。
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Osterei(オスターアイ)
たまごもうさぎと同様、
新しい生命の象徴です。
このたまごは、Osterhaseが持って来るということになっています。
現実にうさぎがたまごから生まれる
ということはないですし、
うさぎがたまごを運んで来ることももちろんありません。
また、たまごには色が塗られていて、赤、青、緑、黄色といった一色だけの
たまごもあれば、カラフルなたまごもあり、スーパーなどでもゆでたまごとしてたくさん
売られています。
たまごに色を塗る習慣は次回説明したいと思います。
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Palmkätzchen
(パルムケツヒェン)
Palmkätzchen (パルムケツヒェン)も、
花屋さんでは必ずこの時期には並んでいて、
レストランやお店の中などにも飾られて
いたりします。
またこの写真のように、そのヤナギの枝に
たまごがぶら下がっていることも多く
見かけます。
聖書にはイエス・キリストがロバに跨って
復活祭前の日曜日エルサレムに入城した時、人々はシュロ(ヤシ)を振りかざしてイエスを迎えました。
でもこちらヨーロッパの内陸ではヤシがありませんでした。
(現在ではいくらでも買えますし、南に行けばたくさんあります)
そこでいつしかネコヤナギが代わりに使われるようになり、家をネコヤナギで飾る習慣が
生まれたというわけです。
そのため本来であれば、Palmkätzchenではなく・・・パルムはヤシ、
Weidekätzchen(ヴァイデケツヒェン)ですね。Weideはヤナギです。
でもこちらではPalmkätzchenと呼ばれています。
ネコヤナギは蜂にとって春の最初の食べ物のひとつです。
そんなことから春の訪れ・・・同時に復活祭のシンボルとなっているわけです。
この時期普通に街の至る所に見られるものでも、改めて考えるとキリスト教や地元の習慣を知らなければ意味がわかりませんね。
地元の人達だっておそらくここまで詳しく知っている人は特定の分野以外ではあまりいないと思います。
こちらで生まれ育っている人にとっては、当たり前の習慣として、そういうものとして自然に生活の中に溶け込んでいるわけで、理由や歴史的背景なんてどうでもいいわけです。
それは私達日本でも同じことですね。