ウィーンの街は豊かな緑に囲まれています。
"森の都"・・・とうい形容が相応しいです。
観光中によく「ウィーンの森はどこでしょうか?」という御質問がありますが、街中に豊かな緑があっても、ウィーンの森はウィーンを外側から囲んでいるので、どこからでも見えるわけではありません。
豊かな緑の中に、この時期はたくさんの花が咲いています。
花は季節を感じさせてくれますので、このコーナーではウィーンによく見られる様々な花を話題にしています。
今日は誰でも知っているウィーンのどこでも見られる花をお届けします。
こちらはドイツ語でGewöhnliche Rosskastanie、
学名ではAesculus hippocastanum、
日本語ではマロニエ、セイヨウトチノキとも言われている大型の落葉樹です。
トチノキ科、トチノキ属です。
ウィーンではオーソドックスな白のマロニエもあれば赤のマロニエも多くあり、この白と赤のコントラストがとても素敵です。
原産はバルカン半島と言われ、中央ヨーロッパに非常に多く分布しています。
ウィーンの街にも至る所に見られ、並木道などでも素敵な演出をしてくれます。
開花時期は4月中旬~5月、高さは30mを超えるものもあり、樹齢は300年を超えることもあるそうです。
7cm~20cmぐらい葉柄(ようへい)を持ち、二等辺三角形状に多くの花を咲かせます。
花が咲いている部分の長さは10cm~30cmぐらいでしょうか。
花の数は20~50ぐらいで、小花です。
赤のマロニエは学名では、Aesculus x carnea で、北アメリカ原産のアカバナトチノキと通常の白のセイヨウトチノキをかけ合せたもので、ベニバナトチノキとも呼ばれています。
マロニエの花が咲き始めると花弁には黄色の斑点が見られますが、受粉が終わるとその斑点は赤色に変わります。
写真は2018年5月3日 8:45頃、シェーンブルン宮殿で撮影したものです。