5月に入りますます日が長くなってきました。
今週の5月1日がメーデーのお休みだったので、先週からのいつもより少し長い週末を楽しむ多くの人がウィーンを訪れました。週末のシェーンブルン宮殿はかなりの混雑でした。
そのシェーンブルン宮殿にはこの時期にしか咲かないピンクの濃い美しい色をつけた花が見られます。
毎年この花を話題にしていますが、今年も取り上げます。
シェーンブルン宮殿に正門から入ると、正面に素晴らしいマリア・テレジアイエローのバロック様式の宮殿が立っていますが、その前庭(Ehrenhof)の周りには多くの木が植えられていて美しい色の花を咲かせています。
この花はドイツ語では、Rotdorn(ロートドルン)、
学名でCrataegus laevigata ‚Paul’s Scarlet‘ + Punicea + Punicea Flore Pleno、
日本語ではセイヨウサンザシとかアカバナサンザシと呼んでいいと思います。
バラ科のサンザシ属です。
ヨーロッパから北アフリカにかけての標高1000mぐらいまでの所に見られ、ローム土壌(粘土質の高い土壌)を好みます。
セイヨウサンザシはかなり深く根づき、低木もあれば、10mぐらいまでの高い木もあります。
自然の中で多く見られるのはたいていWeißdorn (Crataegus laevigata) 、ドイツ語でヴァイスドルン・・・白い花のサンザシです。
開花時期は通常5~6月で、一重咲き、八重咲きで、濃いピンク色ですが、桃色、紅色もあります。
小さいピンク色の花がまとまっていくつも咲いていて、そのかたまりがたくさんあります。
拡大した写真を見るとそのかたまりはアジサイのような雰囲気ですが、アジサイよりも遥かに小さく、それぞれの花が細かいです。
アカバナサンザシの多くはこちらでは観賞用として人気があり、散歩をしていると庭や公園に多く植えられているのがわかります。
シェーンブルン宮殿の黄色、空の青、そしてこのアカバナサンザシの濃いピンクの3色はとてもよく調和していてこの時期にしか見ることができないものです。
写真は2017年5月1日 10:45頃に撮影したものです。