シェーンブルン宮殿内を案内するには国家ガイドでもシェーンブルン宮殿独自のライセンスが必要です

オーストリア国家公認ガイドとして年間を通して仕事をしていると様々な場所に行くことになりますが、圧倒的に多いのはシェーンブルン宮殿です。パッケージツアーではたいていシェーンブルン宮殿が観光プログラムには組み込まれていて、オーストリアではひとつの観光スポットとして最もたくさんの方が訪れます。また、ヨーロッパでも重要なバロック建築であり、オーストリアの世界遺産にも登録されています。

ウィーンに観光で初めて来られた方がシェーンブルン宮殿を訪れないということはまずないでしょう。

そのシェーンブルン宮殿は個人だけでももちろん見学できますが、公認ガイドと観光すればお客様だけを待ち時間なく御案内致しますので、クオリティーの高い見学が楽しめます。

 

シェーンブルン宮殿内の御案内をするには国家公認ガイドであってもシェーンブルン宮殿が発行する特別なライセンスが必要です。

 

シェーンブルン宮殿を個人で見学する場合は40室全ての部屋を見るグランドツアー、前半22室を見るインペリアルツアーのどちからになり、どちらも簡単なオーディオガイドを借りることができます。グランドツアーの場合は定期的にドイツ語のガイドツアーも行われていて参加することができます。

シェーンブルン宮殿の入場チケットについて

 

シェーンブルン宮殿でガイドブックだけを片手に見学されている日本の方を頻繁に見ますが、それであればオーディオガイドを借りた方がいいと思います。しかし何といっても公認ガイドの説明を聞きながら見学すると比較にならないクオリティーの高い内部観光を楽しめます。

 

 

オーストリア国家公認ガイドはオーストリア全土を案内できる国家資格を持ち、博物館、美術館などの内部も御案内するわけですが、ここシェーンブルン宮殿に関しては国家公認ガイド資格だけでは単独で案内することができません。シェーンブルン宮殿や王宮は親方日の丸のようなオーストリアが管理する文化企業で、オーストリア国家公認ガイドも登録しなければいけません。そのためシェーンブルン宮殿では宮殿内部を案内できる資格制度を取り入れていてここを案内する全ての国家公認ガイドはシェーンブルン宮殿が発行している独自の身分証明書を持っています。これはガイドライセンスとは違うもので、シェーンブルン宮殿内を案内する時には国家公認ガイドロゴと同様に掲げなければいけません。身分証明書は個人データが埋め込まれたカードスタイルで本人の写真と登録番号が記されていています。このシェーンブルン宮殿内部を案内できる資格は国家公認ガイドと文部科学省に登録された限られた人、そしてシェーンブルン宮殿で働いていて、ガイドツアーができる能力がある人だけです。

宮殿で働いていても、シェーンブルン宮殿の歴史的試験にパスしなければここを案内することはできません。

オーストリア国家公認ガイドは仕事中国家公認ガイドロゴはもちろん、当局の身分証明書、そしてシェーンブルン宮殿の身分証明書を携帯しているわけです。

このシェーンブルン宮殿の案内資格身分証明書を取るために今年9月から(つまり今日からです)クオリティーの高さとそれを維持していくという目的で試験制度が導入されることになりました。この試験制度はこれからオーストリア国家公認ガイドとしてここを案内する人を含め、ここを案内する人全てに対称となります。試験はシェーンブルン宮殿が行い、宮殿内個々の部屋や歴史的事柄、火災などの非常事態対処の内容から成り立っています。

 

オーストリアは小さい国ではありますが、歴史的にとても奥が深く、ヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ王朝の居城がウィーンでしたし、そのハプスブルグ家の下に長く神聖ローマ帝国の皇帝や王様の称号がありましたから、ウィーンは帝国の都だったわけですね。オーストリアはそのような歴史的事柄をしっかりと皆様に伝えていくという姿勢を持っていることはとてもいいことだと思います。

 

参考までにオーストリアでのガイド業務についても御覧下さい。

 

 

 

 

 

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