早いもので12月も2週目に入り、明日の日曜日にはAdventkranzには3本目のロウソクが灯されます。
2週目の半ばからウィーンの街中には例年通りクリスマスツリーが売られ始めました。
街の中心を始め、地下鉄の駅やスーパーの駐車場など色々な場所に地元の業者が現れクリスマスツリーを売っています。
クリスマス市が出始めるだけでクリスマスを意識しますが、クリスマスツリーを売る業者が街中に出始めるとクリスマスの雰囲気も徐々に終わりに近づいていて、まもなくクリスマスが来るんだな~と思います。
こちらでは必ず本物のもみの木を毎年買って飾ります。
そもそも、"本物の"もみの木という表現はこちらでは滑稽かもしれません。
日本でよくあるおもちゃのツリーを飾る習慣はこちらではまずありません。
もみの木はTannenbaum(タンネンバウム)とドイツ語で呼ばれますが、特にこのクリスマスツリーのもみの木は、ここオーストリアではChristbaum(クリストバウム)と呼ばれています。
背丈が高いものから低いもの、全体の形が整っているものなど様々です。
オーストリアは林業も重要な産業であり、計画的な植林をしているため、もみの木がなくなることは絶対にありません。
ツリーを売る業者によってはもみの木の他にFichte (トウヒ)も売られます。
シェーンブルン宮殿や市庁舎に見られるような大きなツリーが必要な時には、もみの木ではなくトウヒが飾られます。30mを超えるもみの木はそのこまで成長する時間もかかります。
20m~30mを超えるもみの木はあまり見ません。
重要なことは常緑樹であるということで、この時期に緑であることが大事です。
ツリーはネットに包まれて運ばれ、ネットが外されてKreuzと呼ばれる十字型の木に立てられて売られています。
1枚目の写真ではKreuzの上に立てられているのがよくわかります。
左上の写真ではまだ広げられていないクリスマスツリーがネットに包まれてたくさん立てかけられているのが見えます。
クリスマスツリーが売られている場所には、右上の写真で見られるように円形の物が必ず置かれています。
クリスマスツリー(もみの木)の形はどれも一緒なので適当に大きさと値段で選んですぐに買う・・・ということにはなりません。
実際に飾ることを思い浮かべて、どのくらい緑が密集しているか、真っすぐであるか、均等であるか、ツリーの先が美しいか・・・などポイントがいくつもありますので選ぶのは結構時間がかかります。
どれを買うか決めたら、Kreuzが欲しいか欲しくないか聞かれますが、どこの家庭にもたいていKreuzの代わりにクリスマスツリーを支える専用のものがあるので普通はKreuzは要りません。
このままツリーを運ぶのは不便ですし、しかもクリスマスまではまだ時間がありますから緑が乾いてはいけないのでもう一度ネットに包むわけです。
そこでこの円形の物が大活躍をします。
ツリーの根本部分からこの円形の中にツリーを通していくと、狭くなっていく円形の中を通りながらツリーの葉が折りたたまれて、同時にツリーがネットでくるまる・・・という中々便利な物です。
この状態で持ち帰り、12月24日の午前中に飾り付けをする時までこのまま外に置いておきます。
12月24日にもみの木の葉が緑であることが重要ですから、あまり早く飾ってしまうと乾燥してしまいます。
うちもネットで包まれたままのツリーが庭のテラスに立てかけてあります。
この時期はクリスマスツリーを持って帰る人の姿が頻繁に見られ、車の上に買ったツリーを乗せて走っている光景もこの時期ならではです。