ウィーンには美味しいケーキ屋🍰さんがたくさんありますが、ケーキの種類として真っ先に出て来るのは何と言っても"Sachertorte" ザッハートルテ (ザッハトルテ)でしょうか。
たいていのカフェ、レストランでザッハートルテを食べることができますが、"オリジナル"にこだわるのであれば国立オペラ座の裏手にあるホテル ザッハーのザッハートルテです。
ザッハートルテは1832年、メッテルニヒが自分のゲストのために特別なデザートを作るようにと、宮廷料理部に依頼した所、料理長が病気であったため、当時まだ16歳の料理人見習いのFranz Sacher (1816-1907)が修行2年目に考案したとされるトルテです。
この時にザッハートルテのコンセプトが生まれます。
メッテルニヒに言われた当時、ザッハートルテはとても喜ばれたようでしたが、その後はあまり注目されなかったようです。
その後Franz Sacherは数年間ブラティスラヴァやブダペストで修行し、1848年にウィーンに戻り自分の店を開きます。
彼の長男Eduard Sacherは有名なデーメルで修行し、その時に現在見られるザッハートルテが作られたとされています。
そのEduardが1876年にホテル ザッハーを開きます。
そのザッハートルテは当初デーメルで売られ、その後ホテル ザッハーでも売られます。
そこから後1954年に有名な本物裁判が行われることになります。
結果的にホテル ザッハーのザッハートルテに"Original" という名をつけて売ることができるということになっています。
実際どちらが本物かと言えば、どちらも本物なんでしょうね。
チョコレート入りのフォンダンでコーティングしたケーキの中に、あんずのジャムを塗り、砂糖なしの生クリームと食べるというものです。
ホテル ザッハーの方は、スポンジの真ん中にあんずのジャムが、デーメルのザッハーは
スポンジの最上階に、またトレードマークのチョコレートがホテル ザッハーは丸、
デーメルは三角です。
ウィーンのケーキと言えばザッハートルテ・・・でもこれがウィーンで一番美味しいケーキであるかと言えば、おそらくそうではありません。