ウィーンにあるギリシャ正教会

ウィーン旧市街一角にFleischmarktというよく知られた通りがあります。

その界隈は当時Griechenviertel (グリーヒェンフィアテル)と言われ、いわゆる

「ギリシャ人街」的な意味でしょうか。

 

グリーヒェンフィアテルはこのFleischmarkt から西側はRotenturmstraßeを超えて

ユダヤ人街区までの界隈です。

 

この地域には17世紀中頃からオリエント貿易を営むギリシャ人の商人が多く住み始めた

ことからGriechenviertelと呼ばれました。

 

この地域に19世紀に、GeorgkircheとGriechenkirche zur Heiligen Dreifaltigkeit の2つのギリシャ正教会が建てられます。

 

 

こちらがそのひとつのFleischmarktにあるGriechenkirche zur Heiligen         Dreifaltigkeit

(グリーヒェンキルヒェ・ツア・ハイリゲン・ドライファルティヒカイト)で、聖三位一体ギリシャ正教会なんていう日本語になるのでしょうか。

 

この教会は、1782年にすでに

ここに建っていたStockhammersche Hausを

簡素なギリシャ正教会に改築することが決まり、1781年の

皇帝ヨーゼフ2世の寛容令の恩恵を受けて1787年Peter Mollnerによって 作られました。

 

その後Georg Simon von Sina というギリシャ=オーストリアの企業家が、アテネから

Theophil von Hansen (テオフィル・フォン・ハンセン)をウィーンに呼び、

この教会の改築を依頼しました。

 

1856年から改築が始まり、1858年12月21日に奉納されました。

 

この年はウィーンのリンク道路の建設のため、城壁が取り壊される年であり、

またテオフィル・フォン・ハンセンはリンク道路時代の重要な建築家で、

何と言っても国会議事堂、楽友協会ホールなどを始め、多数手掛けています。

 

ウィーンの教会の中では最初のビザンチン様式です。

 

 

 

こちらは教会内部です。

 

カトリックの教会とはかなり違っています。

 

代表的な違いは・・・

いわゆる祭壇がなく、完全に仕切られています。

肉声で歌う・・・つまり

パイプオルガンはなし。

椅子もありません。

ギリシャ正教では立って

ミサを行います。

原罪論は基本的になく、神は人間を善なるものとして創造したということ。

神は知ることができない。

イコンはOK、でも立体像は禁止。

聖職者の妻帯を認める。(ただし主教は独身)

 

カトリックの様々な様式に慣れていると、ギリシャ正教はかなり神秘的な雰囲気に

包まれますね。

 

キリスト教の成り立ち」でも書いていますが、ローマのコンスタンティヌス帝が313年にキリスト教を公認して、コンスタンティノープルに都が移されるわけです。


地中海沿岸に5つの総主教座がありました。

それはエルサレム、コンスタンティノープル、アンティオキア、アレクサンドリア、ローマの5都市で、この中でローマを除いた4都市がギリシャ正教会のベースになっています。

 

日本語では神聖正統使徒伝承東方教会が正式名称でしょうか。

 

東西両教会が決定的に分裂するのが1054年、ある意味で直接的にはそこから東方教会の

歴史が始まるといってもいいわけですが、ベースはもっともっと前からです。

両教会の相互破門が解除され、和解に至ったのは1967年です。

 

ギリシャ正教は、原始教会から枝分かれし、前述した4つの都市が東方教会の

ベースを作り、4~5世紀頃にかけて形成されました。

 

カトリック以上に神秘主義的傾向が強く、教義として聖書と聖伝を遵守するわけですが、

聖伝は1世紀以来の原始教会やその後の初期キリスト教から継承されたとされています。

つまり正統にキリスト教の伝統を受け継いでいる・・・なので正教会というわけです。

 

ギリシャ正教では前述した4大総主教区のコンスタンティノープル(現イスタンブール)の総主教は、エキュメニカル総主教と呼ばれ、カトリックのローマ教皇に当たるわけですが、ローマ教皇のように絶対的権力はなく、名誉的なものです。

 

 

聖職者の名称もカトリックでは・・・

副助祭、助祭、司祭、司教、大司教、枢機卿、教皇

 

正教会では・・・

主教、司祭、輔祭で、このうち主教は各教庁の伝統や規模に応じて

総主教、府主教、大主教、主教と4つあります。

 

教会の建築様式もカトリックの教会とは全く違います。

何と言ってもドームが使用され、正十字形に作られます。

この教会でもドームが見られますね。


ここでちょっとギリシャにある正教会を見てみましょう。

 

こちらはギリシャエーゲ海

最大の島クレタ島のイラクリオンに

建つ、アギオス ミナス教会です。

 

ギリシャに行けば、至る所にこのようなドーム建築の教会を見ることが

できます。

こちらはギリシャエーゲ海の

サントリーニ島の内陸にある

Exo Goniaの教会です。

 

2013年8月26日付で

飛行機で休暇に行く時のストレス」というタイトルで書いていますが、

そこにも3枚のギリシャの写真を掲載しました。

 

典型的なギリシャ正教会です。

 

キリスト教の3大宗派と言えば、カトリック、東方正教会、プロテスタントです。

オーストリアは圧倒的にカトリックが多いわけですが、ウィーンはカトリックだけでなく、他の宗派や、またキリスト教以外の教会も見られます。

 

 

 

 

 

 

 

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