街中でまず気づくことがない・・・でもシュテファン大聖堂のすぐそばにあり、地元ウィーンではとても知られている歴史的遺産のひとつとして、Stock-im-Eisen (シュトック・イム・アイゼン)があります。
Stock-im-Eisen・・・「鉄の中の切り株」なんていう日本語の直訳でしょうか。
このシュトック・イム・アイゼンは、
その名の通り、Stock im Eisenplatzという広場があります。でもここはケルントナー通りとグラーベンの交差する所なので、そのような広場の名称があることすらあまり意識させません。
そのStock im Eisenplatz 3番地・・・ケルントナー通りとグラーベンが交差する角にPalais Equitableという
立派な建物があり、その角にこの写真に見られるようなものがあります。
よく見るととても古そうな木に無数の釘が打ちつけてあります。
この木は1400年頃から1440年まで生きていたトウヒ(樫の木という説もある)です。2.19mあり、土台の上に据えられています。
記録ではStock im Eisenは1533年と挙げられています。
これはどういう意味なのでしょうか?
実は様々な言われがあってどれも不確かです。
ある説では、錠前屋や鍛冶屋の修行旅行で、その場所に自分が来たことを永遠化するために釘を打ち込んだという同業者組合の習慣によるものですが、
でもこの習慣は18世紀前半に登場するので、これは16世紀ですからそれ以前ですね。
別の説では、錠前屋の貧乏な若い弟子が自分の親方から、ウィーンの森に聖人レオポルドの狩猟の館に使用するはずだった釘を盗み、彼は帰る途中森で迷ってしまい、そこには特別な木があり、そこに何回も出てしまうということでした。
彼は疲れ切り、泣きながら盗みを犯したことを反省し、その特別な木に釘を打ち込んだ・・・。
また別の説では、悪魔と契約を結んだ錠前屋がいました。
悪魔に特別な力を授けられた彼は、その木にリングと絶対に開けることができない錠前をつけることができた・・・そして日曜日のミサを怠ったら、悪魔の犠牲になるということでした。
実際にその数年後に彼は悪魔の犠牲になったそうです。
ちなみにこのStock im Eisenがある建物Palais Equitableの上方を注意してよく見ると、
この写真に見られるような像が置かれています。
木に釘を打ち込んでいるシーンが描写されています。
ケルントナー通りとグラーベンが交差する場所に
あるにもかかわらず、おそらくほとんどの人はこの像に気づくことなく通り過ぎて行くでしょう。