新年に豚やてんとう虫を贈る習慣

今日は2013年最後の日、大晦日ですね。

ウィーンの街中は、クリスマスは終わりましたが、まだまだクリスマスツリーや

イルミネーションはそのまま残され、大晦日のカウントダウン(Silvesterpfad)の準備が色々な所で見られます。

 

それと同時に年末年始をウィーンで過ごそうという観光の皆さんも多く、街は活気に溢れています。

 

ただクリスマス休暇を取っている人も多いので、街中の交通量は少なくなっています。

クリスマスが過ぎるとすぐウィーンの街の至る所に、ぶた、てんとう虫などを売る屋台が待ってましたと言わんばかりに立ち始めます。

 

この写真のように小さい物からそこそこ大きい物まで

様々な豚やてんとう虫が売られています。

 

なぜこのような物が売られるのでしょうか?

 

これらはGlücksbringer

(グリュックスブリンガー)

・・いわゆる幸せをもたらす物とされています。

 

すでにゲルマン民族では、ぶたは聖なる動物と見なされていました。

例えば北欧ゲルマンの女神Freyaは豚が聖獣であり、別名Syr、これはドイツ語のSau(豚)を表します。

ギリシャ神話に登場する女神デーメーテールのために豚が捧げられています。

ヨーロッパ文化圏では一般的にぶたは、豊かさのシンボルです。

Glücksschwein (幸せのぶた)は、その古来の習慣から、多産の象徴であると同時に、

幸せをもたらすもの・・・とされたわけです。

今年に幸せがもたらされるように、こちらでは元旦には豚肉を食べたらよいとされています。

昔は豚肉は限られた人しか手に入れられなかったもので、極稀にしか食べることは

できませんでした。

そのため豚を持っている人は、「豊かで幸せである」と見られていたんですね。

 

てんとう虫もぶたと並んでポピュラーな新年の贈り物です。

 

中世の頃、てんとう虫が聖母マリアに捧げられて以来、Glückskäfer(グリュックスケーファー)とも呼ばれ、

幸せをもたらすものとなっています。

 

てんとう虫はドイツ語ではMarienkäfer(マリーエンケーファー)といいますが、名前にはマリアが登場しますね。

 

てんとう虫に何かしたり、ましてや殺したりしたら災いがもたらされるとされています。

特に赤の7つ星のてんとう虫は、魔女と不運を外に出して遠ざけるという意味があります。

7という数字は一般的にもラッキーな数字です。

 

またてんとう虫が飛んできたら、その飛んできた子供を守り、病気を治すとされています。

その時は絶対に払い落としたり、殺したりしてはいけません。

災いがやって来るからです。

 

そのような歴史的習慣の背景から、ぶたやてんとう虫を年が明けたと同時に贈るという現在の習慣があるわけです。

 

 

 

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