ハイリゲンクロイツ修道院

オーストリアには歴史的にとても重要な修道院、教会、お城などがたくさんあります。

 

観光でよく行くウィーン近郊、ウィーンの南の森にある、「ハイリゲンクロイツ修道院」はとても有名です。

 

ウィーン中心から車で南西約35km走った所に、Heiligenkreuz(ハイリゲンクロイツ)というウィーンの森の中にある街があります。

 

元々ここはこのハイリゲンクロイツ修道院が建てられて、やがて街ができて、その街の名前もハイリゲンクロイツです。

 

ハイリゲンクロイツは、聖なる十字架という意味で、イエス・キリストが磔にされた、十字架の木片の一部がこの修道院に運び込まれたことからその名前がついています。

 

この修道院はシトー修道会と呼ばれる、キリスト教カトリックの修道院で、ドイツ語ではZisterzienserと呼ばれ、ベネディクト会から枝分かれし、フランスのシトー(Saint-Nicolas-lès-Cîteaux・・・ブルゴーニュ地域の街) に1098年に設立された、ベネディクト会の改革宗派です。

 

このオーストリアのハイリゲンクロイツ修道院はバーベンベルク王朝時代のレオポルド3世によって、1133年に作られています。

 

この写真は修道院の中庭です。とても情緒があり、12世紀終わりの教会部分や、バロック様式のペスト像が印象的です。

 

こちらは、修道院内部回廊の中庭風景です。

 

ロマネスク様式とゴシック様式がうまく調和しています。

 

実際にシトー修道会はとても新しい面があり、いち早くゴシック様式を取り入れたため、この回廊の様式は、ロマネスク的な部分とゴシック的な部分が混ざっています。

左に見える泉水堂は、回廊水準から後、中庭部分に増築されたので、完全なゴシック様式で作られています。

 

 

こちらは泉水堂です。ゴシック様式の美しい構造で、ステンドグラスも素敵です。

 

中央にあるのが泉水盤で、現在でも常に水が流されています。

 

この写真ではわかりませんが、泉水盤には苔がつき、また石灰分が多く付着し、何百年もの時が流れていることがわかります。

 

 

こちらは回廊(Kreuzgang) です。ほぼ正方形で、それぞれ、東、西、南、北回廊と呼ばれています。

 

天井アーチ構造もロマネスクとゴシックがミックスされた

独特な様式で、それぞれの回廊の中庭に面した側には、赤大理石が柱として使われています。

それぞれの回廊の中庭面は、微妙に様式が異なっています。

 

とても神聖的な空間です。今でもここでは修道士が通り、ちゃんと使われています。

 

 

 

 

こちらは修道院付属教会です。

 

この教会はとても重要で、ロマネスク様式のバシリカ構造と、ゴシック様式の構造がひとつの教会で対照的に別々に見られます。

 

この写真はメイン祭壇がある、ゴシック様式の部分です。

とても長く、美しいステンドグラスには圧倒されます。

 

ヨーロッパ文化を手っ取り早く感じるには、教会や修道院を見るのが一番かもしれません。キリスト教という、ヨーロッパ文化の根底に流れているものは、ヨーロッパ今日の生活習慣に多大な影響を与えました。

 

キリスト教が普及したからこそ、様々な建築、音楽、絵画・・・などが生まれてきたわけです。そういう意味ではキリスト教はヨーロッパ文化の基本のひとつですね。

 

このハイリゲンクロイツ修道院は男性の修道院で、(シトー修道会は男女共々あります)

大学も併設され、カトリックの世界でもとても重要な地位にある修道院です。

 

この修道院の一角に、十字架礼拝堂があり、そこに行くと、イエスが磔のなった十字架の木片を見ることができます。

 

個人的にウィーンからここに来るには少し骨が折れます。

車があればとても便利ですが、車がなくても、ウィーンから国鉄を使って、そしてバスを使えば個人的にも訪れることができます。

その際にはせっかくこの地域に行くのですから、バーデンの街にも寄って行きたいですね。

 

ウィーンの森はとても多くの見所があります。

 

 

 

 

 

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