オットー・ヴァーグナーの駅舎

ウィーンは全ての建築様式が見られます。手っ取り早く色々な様式を見るにはリンク道路を周ると様々な様式の基本を見ることができます。

 

リンク道路は19世紀後半に作られ、その時代の習慣で色々な様式が登場するわけです。
そんな背景の中である意味では古典建築と現代建築をうまく橋渡しをした建築家が

Otto Wagner(オットー・ヴァーグナー)です。

 

オットー・ヴァーグナーは1841年のウィーン生まれ、ウィーンで一番古いアカデミーギュムナジウムで学び、ベルリンの建築アカデミー、その後ウィーンのアカデミーで国立オペラ座の建築家シッカルズブルクとニュルのもとで学んでいます。

 

当時支配していた古典的な保守的な時代から抜け出し、時代にふさわしい新しい素材、例えば鉄骨やガラスなどを用い、機能性を考え、その中に美しさを見出す・・・といった画期的なコンセプトでウィーンを中心に新しい風を吹き込ませました。

 

 

今更あえてここで紹介する必要もないぐらい有名なKarlsplatzのパヴィリオンです。

 

白い壁は大理石、緑の柱的なものは鉄骨、ガラスがとても印象的です。

現在はちょっとした博物館、カフェになっていますが、地下鉄の駅舎として現在も使われています。

 

もともとオットー・ヴァーグナーは19世紀の終わりにウィーンの街にStadtbahn (シュタットバーン)と言われるいわゆる市営鉄道を4路線建設します。

 

 

ウィーンの街中に数あるオットー・ヴァーグナーの駅舎の中でも、このKarlsplatzの駅舎は最も美しく、洗練されています。

金色のロココ的な装飾、ひまわりの模様、アール・ヌーヴォーの基本の有機的な自由曲線等が見られます。

 

19世紀終わり~第1次世界大戦が始まる1914年まではアール・ヌーヴォー・・・とよく言われますが、ドイツ語圏ではJugend Stil (ユーゲント・シュティール)

と一般的に言われています。

 

こちらの写真は上の写真の裏側部分です。

御覧のように地下鉄の入口になっていて、階段で下に降りられるようになっています。

 

 

 

 

 

 

 

こちらもオットー・ヴァーグナーのStadtparkの駅舎で、現在は地下鉄4号線の駅として使われています。

 

Karlsplatz のとは違っていますが、同様の特徴が見られます。

 

花輪の装飾や丸い電灯が印象的ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはその駅の内部空間です。

 

天井が非常に高く、採光のことがとても考えられていますね。

 

ここでも電灯がとてもいい味を出しています。

また、この時代によく見られる字体にも特徴があります。

 

オットー・ヴァーグナーは「芸術や建築は鑑賞されるだけの物ではない・・・使われてこそ意味があるもので、なおかつそこには美しさがあるべきだ・・・」という画期的なコンセプトをベースにウィーンに新しい風を吹き込ませました。

それはもちろん建築の形だけではなく、素材にもこだわりがありました。

 

オットー・ヴァーグナーが手掛けた当時の市営鉄道施設は現在のウィーンにもたくさん見られ、実際に使われているわけですが、とても110年以上も前の物とは思えないぐらいに街に溶け込み・・・なおかつ懐かしさを感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

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